0歳児の間は、夫婦で交互に育休を取れるようにするといい
日経DUAL編集部 待機児童問題をはじめ、仕事と子育ての両立を進めるためにどのようなことを解決していけばいいと思われますか?
新宿区長・吉住健一氏
吉住健一区長(以下、敬称略) まずは男性陣が子育てに責任感を持ってもらいたいですね。わが家は共働きで、0歳児のときは妻に我慢をしてもらい、仕事をある程度セーブしてもらっていました。でも妻はフリーランスのため、まるっきり休むと仕事が来なくなってしまうかもしれませんでした。そこで、近くに住んでいる両親の助けを借りたり、私が朝6時半から夜9時まで仕事をして、その後の夜の時間は妻を寝かせて自分が子育てを担当したり。オムツ替えや夜中起きたときにミルクをあげる、泣き出したときに外に連れて行くなど、役割分担をしていました。
すると、赤ちゃんはどんなことで泣き出すのかや、まだコミュニケーションできない人が何を訴えているのか想像すること、それが分からなくて仕方ない場合は忍耐で我慢をするなど、たくさんのことを体験し、学ぶことができました。この経験は男性が色々な人と仕事をする上でも役立つし、子どもにとってもいい効果があると思います。
ですので、男性も0歳児の間は妻と交代で休むことができると良いと思います。今の制度は一度育休を取得し中断をしてしまうと、もう1回は取ることができません。夫婦で交互に育休を取れるように、国の方で考えてもらいたいですね。国が仕組みを作ってくれれば、そこを支えるための現場のサポートは、私たち自治体でやらせてもらいます。
―― 育休を長く取得できるようにした方が良いという意見もあります。
吉住 育休を長くすることと、分割して取れることが両立するといいのではないでしょうか。親の支援をもらうといっても、親は歳を取っています。自分が子どもを預けていたときに親が怖がっていたのは、多少歩けるようになると子どもに追いつかないことがあり、そのときは肝を冷やすと言っていました。祖父母に子どもを預けて限界だと感じたら、また育休に戻るなど、断続的に使える仕組みになるといいと思います。
――区内ではどんな子育て支援をしていきたいですか?
吉住 先日、区内の児童館で毎週開催している、2歳児と親向けの食育講座に参加してきました。子育てをしながら働いている主婦の方がボランティアで開催してくれています。自分が子育てをしているときは食育講座などに触れる機会がなかったので、このような場をもっと増やしたいですね。