子育て政策は最優先。年間30億円を拠出
日経DUAL編集部 順序を付けるようなことではないのかもしれないですが、子育て政策というのは現在市長の中で何番目ですか。
松崎秀樹市長(以下、敬称略) 最優先ですよ。保育所の整備費用などとは別に、今は30億の少子化対策基金を設置して、少子化対策事業の予算として使っています。特に小さいお子さんの問題は待ったなしですよね。1年2年経ったらすぐ就学してしまうんですから。そういったことも含めて即効性のある事業をどこまで打てるかということに、このお金を使っています。
浦安市の財源は個人の市民税が中心です。皆さんディズニーからお金をもらってると思ってるだろうけど(笑)。
―― 浦安市としてここが自慢、子育て関連の政策でもいいんですが、土地柄なども含めて、ここが他とは違うぞ、というのはありますか。
松崎 人材ですね。フィンランドでは、とてもたくさんの保健師が妊娠中から子どもの就学前まで、さらにその後の夫婦の関係まで、ケアしていると聞いています。最低でも約10年、じっくりと、保健師一人当たり70~100人のお子さんを担当しているんだそうです。
そこで、大日向雅美先生(注:恵泉女学園大学学長、心理学者)に相談して、平成18年から「子育て・家族支援者養成講座」というものをスタートしました。3カ月研修を受けてもらうと三級の資格が取れます。三級だけで440人くらい資格者がいます。テキスト代だけ2000円くらいかかりますが、他は無料です。
基本的には子育てを終えて、自分の経験で若いお母さんたちや家庭をサポートしたいという人が応募してくれます。児童育成クラブ(学童保育)の指導員の人たちにも参加してもらっています。スキルアップした二級の保有者も180人くらいいます。産前産後のサポーター、ケアマネジャー、保育ママなど、市が委託をして、お金をお支払いしながらその仕事に就いていただいています。