■体験談① Aさんの場合(長男3歳4カ月)
息子が2歳になったころに初めて補助便座を購入しました。まずはトイレに慣れてもらおうと、歌を歌いながらトイレに連れていく練習を開始。しかし、時期が早かったのか、そこから半年くらいは週1回くらいしかトイレに行きませんでした。
2歳5カ月のとき、保育園で保護者会がありました。園の先生は「3歳になって迎える4月までにみんな取れたらいいなぁという気持ちで、その子その子のペースでゆっくり始めたいと思います」という優しい姿勢でした。ただ、同じクラスの3歳のお友達がすでにトイトレを完了しているという話を聞き、急に焦り始めました。
新幹線のパンツ欲しさに便座に座ってくれるように
2歳8カ月になるころには、1日1回か2回は園でトイレに行くようになり、布パンツも持参しましたが、それはなかなかはいてくれませんでした。家で便座に座らせようとすると、私の焦りが伝わったのか便座に座ることを嫌がることも。
なかなか進まないトイトレにだんだん心が暗くなってきた私は、「きっと便座が痛いからできないんだ。便座を買い替えよう!」と決意。人間工学を配慮した設計というベビービョルンの補助便座「トイレットトレーナー」と踏み台の「ベビーステップ」をネットで注文しました。
お話もだいぶ上手になってきたので「トイレでできるようになると、新幹線のパンツがはけるんだよ!」とご褒美をちらつかせると、「ホント! トーマスもはける?」と反応してきて、便座にも座るようになってくれました。でも、トイレの拒否が続くと、「何でしてくれないのー」と夫に不満をぶちまけることも。私が本来、ガチガチに考えてしまうタイプなので、「しまじろうは素直にトイレに行ってるよなぁ…」と無駄な比較をしたり、「どうしたらいいの?」とネット検索をしまくったりと「3歳になるまでに…3歳になるまでに…」とかなり焦っていたと思います。
そんなある日、新幹線に乗る機会がありました。息子はかなりの電車好きなので、新幹線のトイレに誘うと張り切ってトイレに行き、普通におしっこができたのです! それ以来、「おむつは絶対にはかない! キライ!」と拒絶するようになり、驚くほどあっさりとおしっこをマスターしました。おしっこができるようになって最初に言われた言葉が「新幹線のパンツ買ってくれる?」でした(笑)。
精神的に追い詰められてツイッターに病み投稿
しかし、ここからが長かったのです…。おしっこが2歳10カ月でできるようになったので、うんちもすぐだろうと思いきや、3歳になってもうんちのタイミングがつかめないのか「おなかが痛い」と言ってから時間がかかったり、「あ、出ちゃった」とすでに漏らしていたり。息子は便が柔らかく1日2回は出るのです。
もう毎日がつらかったです。朝の忙しい時間、帰宅後のバタバタする時間、仕事が忙しいときに限って、必ずパンツにウンチをするわけです。
3歳を過ぎて便意はつかめるようになりましたが、トイレに誘っても拒否してパンツの中にうんちをします。「しょうがないね」と優しくできたのは最初の1カ月くらいでした。
しかも、パンツでうんちをするたびに本人がキレるのです。「パンツを替えようね、お尻を拭こうね」と言っても、この世の終わりかと思うほど泣き叫びます。そのうち「そんなに嫌なら、トイレですればよくない?」と、私も冷たく言い放つように。この辺から心がいっぱいいっぱいになり、夫の「えー? できなくていいんじゃないの?」という発言にキレました。ちなみにこのころから、息子は補助便座すら拒否するように。「大人だから、もうこれ要らないの」だそうです。
年末に夫の実家に帰省したタイミングで親戚に話を聞くと、いとこ達は3歳であっさりとトイトレを完了していました。アドバイスを求めても「うーん、そのうちできるんじゃない?」で終了。「きっと私の育て方が悪いんだろうな。働いていてきちんとトイレトレーニングに向き合えていないんだろうな」と思い詰めるようにもなりました。
そんなある日、保育園の帰りに寄ったコンビニの店内で息子がうんちをしました。そしてその場にしゃがみこんで動きません。説得してどうにか帰りましたが、帰宅しても「パンツを替えない」とごねます。私のイライラはピークに達してしまい息子に怒鳴りました。「忙しくて帰ってきて途中でうんちして、お母さんはごはんも用意しなきゃいけないのにパンツも脱いでくれなくて、パンツも洗わなきゃいけなくてホントにやっていられない!!」と。あまりに思い詰めて、ツイッターに一連のツイートをしました。今読むと、かなりおかしいです。
初めてできたときはママも泣いた
マジギレ事件から数日後、仕事が忙しくて母に保育園にお迎えをお願いしたのですが、うんちをしたコンビニの前を通ったとき、「ばぁばちゃん、うんちは、おみせのなかでしちゃ、いけないんだよね。トイレでするんだよね」としょんぼり話をしていたそうです。私の母は「なんでそんなに厳しくするの? かわいそうよ…」と泣いていました。
「もういいやー」という気持ちになったある日、帰宅後、私がごはんの支度を始めると、うんちが出そうな様子。それでもトイレを拒絶する息子を何とかトイレに連れていくと、立派な一本が出始めていました。
そして、初めてトイレでのうんちに成功! あまりにうれしくて泣きました。ハイタッチしまくって浮かれていると、「ボクうんちできたねーー! おもちゃ、買ってもらえるの?」と息子。
翌週には「ママ、うんち出るよ」と宣言してからトイレで成功。この「成功体験」がよかったのか、この日を境に、基本的には成功するようになり、ご褒美のオモチャも無事ゲットしました。お友達の家や保育園でも余裕でできるようになり、結果的には「早いほう」に分類されました。
効果的だったのは「新幹線」パンツと「成功体験」だったと思います。それまでの私は「声をかける、連れていく」だけで、タイミングを見てトイレに座らせることはしていませんでした。親がタイミングを見計らって、子どもに成功体験をさせることが大切だなと実感しました。