キャリアアップややりがいを求めたいけれど、家族との時間も大切にしたい――。パパになってからの転職には、独身のときよりももっと、様々な理由が関わってきます。DUALでは転職を考えているパパや、そんなパパに期待したり不安になったりしているママに向けて、パパの転職に関する特集を展開します。

 東京で生まれ、東京や川崎などで働いてきた木島正博さん。43歳のとき、約20年勤務した大手企業を退職し、家族と一緒に、これまで地縁がなかった岡山県に「Iターン」転職を果たしました。当初は不安や葛藤を感じながらも、「ゆったりとした生活」と「やりがいがある仕事」の両方を手に入れた木島さん。どのように転職活動を行い、入社後、現地にどうなじんでいったかをお聞きしました。

【両立パパの転職術 特集】
第1回 パパの転職 面接や妻の説得…成功・失敗の分かれ道
第2回 転職希望パパ ヘッドハンターの指名リストに載るには
第3回 転職ベテランのパパ 会社選びの譲れない3条件
第4回 息子誕生の1カ月前に転職 エスクリ管理職のパパ
第5回 自然豊かな岡山にIターン転職したMBAパパ ←今回はココ

木島正博さん(46歳) 大手IT企業でシステムエンジニア、ITコンサルタント、人材育成などを経験。2013年、岡山に本社を置くバイオテクノロジー企業、株式会社林原に転職。採用や人材育成を手掛ける。妻と、長男(高1)、次男(中2)、長女(小3)の5人家族。

「豊かな生活とは」の自問自答を続け、震災を機に決断

 「豊かな生活って何だろう」

 木島さんがそんな考えを抱き始めたのは、およそ10年前。企業派遣でオランダに留学していた当時、隣人が毎日17時までに帰宅し、家族と夕食を取る生活を送っている様子を見たのがきっかけでした。漠然と考え続ける中で、友人が岡山に移住して農業を始めていることを知りました。

 「友人はかつてバリバリのコンサルタントだったので、正直、無謀なことをしたものだ、と思っていました。けれど、家族で遊びに行ったとき、豊かな暮らしぶりに衝撃を受けたんです。スーパーもコンビニもない山の中だけど、朝は摘みたての野菜や産みたての卵が食卓に並び、足りないものがあれば近所の人と交換して分けてもらう。『こんな生活もできるんだ。いつかは自分達も…』と思うようになっていました」

 そうはいっても、「地方には仕事がないのでは」「収入も激減するだろう」という不安から行動を起こせずにいた木島さん。背中を押したのは東日本大震災でした。交通機関が止まり、携帯電話もつながらない。自宅まで6時間かけて歩く中、考え続けました。

 「昨日まであったものが今日には無くなることもある。先延ばしにしていてはいけないという思いが強くなり、転職活動に踏み切りました」

 次ページでは木島さんの「転職にかかった時間とお金」「面接の攻略法」「転職して捨てたもの、得たもの」などを紹介します!

次ページから読める内容

  • キャリアが生かせてやりがいを感じられる企業を岡山で発見
  • 新しい提案は、「焦らず一歩ずつ」。クラブ活動で人脈も構築
  • 通勤時間は1時間半から20分に短縮
  • 子どもが抱える「葛藤」に悩んだ時期も

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