本連載では、学校への取材経験が豊富な教育ライターの佐藤智さんが、現役の先生たちに保護者が気になることを聞いていきます。連載第7回のテーマは、「コロナ禍における学校の変化」について。長引くコロナ禍で学校の状況がどう変わり、子どもたちにはどんな変化が起きたのでしょう。そして、対応に追われている先生たちの心の内とは。保護者会では出てこない先生のホンネや小学校のリアルな事情を聞いていきます。

【親が知りたいことを直撃! 先生のホンネ 学校のリアル】
これまでのラインアップ

いじめた側を出席停止にしないのはなぜ? 先生の本音は
探究学習は調べ学習と違う? 適当にやる子ヘの指導法
通知表はどのようにつけている? カギは3つの「観点」
新しい担任に不安が 前の担任に相談していい?
積み上げ教科の算数と国語 つまずいたときの対策は?
学校のデジタル化 意外な効果や先生の戸惑いとは

【話を聞いた先生】
A先生 都内の公立中学校に勤務。新卒で先生になり8年目。
B先生 神奈川県の公立小学校に勤務。新卒で先生になり13年目。
C先生 千葉県の公立小学校に勤務。新卒で先生になり10年目。

コロナ禍で学校に行きにくくなる子どもも

 コロナ禍で、授業参観がなくなったり、保護者会がオンラインになったりと、学校の状況が親には見えにくい日々が続いてきた。こうした中で、子どもたちにどのような変化が起きているのか、気がかりな保護者は多いだろう。都内の中学校で働くA先生は生徒たちの様子をこう語る。

 「不登校や行きしぶりは増えました。その中には、『こんなに頑張っても仕方ない』『自分の人生、何のためにあるの?』という大きな深い問いに入ってしまう子もいます。真面目な子ほど、コロナ禍の状況に打撃を受けた印象がありました」

 神奈川県の公立小学校に勤務するB先生はこう続ける。

 「明らかに不登校が増えたというよりは、もともと学校に来にくかった子がより足が向かなくなったという感覚があります。以前は『保健室にだけ来てみる?』『好きな教科だけ出てみようか?』といった後押しもできました。しかし今は『少し具合が悪くて』と言われると、感染症予防の観点から、後押しをして来させるといった方法が取りにくい状況です」

 C先生は子どもたちの様子を見て、言葉にしにくい不安を感じているという。

 「『みんな我慢しているんだから、自分も我慢しなければいけない』と、自分の思いや感情を抑え込んでいるように見えます。『大人になった』という見方もできますが、『無理をしているのではないか』と教員として漠然とした不安を覚えることもあります」

 学校に来にくくても、学校以外にその子がその子らしくいられる居場所があればよい。しかし実際には、コロナの影響もあって、外部とつながる機会が乏しくなっている子が多いのではないかと予測される。前回記事「学校のデジタル化 意外な効果や先生の戸惑いとは」では、1人1台のICT支給により、学校に来にくい子どもとつながりやすくなったという先生の声を紹介した。学校が子どもたちとのつながりをどう確保していくかは、これから重要な課題といえる。

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  • 机をくっつけての活動が激減。『班になって』が分からない
  • 行事の中止や延期で教員の負担感が増している

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