小学生のママ/パパからは、子どもがどんなふうに学校生活を送っているのか分からない、先生がどんなことを考えているのか掴みにくいという声が聞こえてきます。確かに、保育士との会話や連絡帳を通して子どもの様子を日々共有できた保育園と比べると、小学校では子どもがどんなふうに過ごしているか、どんな問題が起きているかといったことが見えにくいかもしれません。親が小学校へ足を運ぶのは行事や授業参観、保護者会の時くらいで、その機会も新型コロナウイルスの流行下で縮小しているからです。そもそも、先生と話ができたとしても、突っ込んだことは聞きにくく、先生もホンネを話してはくれないかもしれません。

 そこで本連載では、学校への取材経験が豊富な教育ライターの佐藤智さんが、現役の先生たちに保護者が気になることを聞いていきます。保護者会では出てこない先生のホンネや小学校のリアルな事情をお伝えします。連載第1回のテーマは「いじめ」です。

【話を聞いた先生】
A先生 神奈川県の公立小学校に勤務。新卒で先生になり15年目。
B先生 都内の公立小学校に勤務。新卒で先生になり13年目。
C先生 都内の公立小学校に勤務。新卒で先生になり7年目。

小学校ではいじめへの対応をどう行っている?

 いじめの痛ましい事件が起きるたびに、「学校はどういった対応をしているのだろう?」と疑問に思う人は少なくない。さらに、思いをはせるのはわが子のこと。いじめに遭うことはないだろうか、逆にいじめてしまうことはないだろうか……。そんな不安の声をもとに学校現場の先生方に「いじめ」をテーマに話を聞いた。

 まずは、全国のいじめの状況について。文部科学省の発表によると、小中高特別支援学校の2020年度のいじめの認知総件数は、前年度に比べて9万5千件ほど減少した。しかし、いじめの件数に一喜一憂することにはあまり意味がないと教職歴15年のA先生は言う。学年や学校全体で取り組む体制があるからこそいじめが認知され、件数としてカウントされている側面があるからだ。「裏を返せば、『見える化』されていないいじめがある可能性もあるということです」(A先生)。

 いじめと認知された場合には、どのような対応がなされているのだろう。文科省が示している「いじめ防止基本方針」をもとに、各自治体では地域の基本方針を定めている。いじめ対策に特に注力している学校では、自治体の方針をベースに独自で「学校いじめ防止基本方針」などを定めていることもある。各学校のホームページなどにアップされていることもあるので、学校の基本的な対応を知りたい場合にはそれを参考にするといいだろう。

教育ライターの佐藤智さん。全国約500人の教師に話を聞いた経験をもとに、学校現場の事情を分かりやすく伝えている(写真/稲垣純也)
教育ライターの佐藤智さん。全国約500人の教師に話を聞いた経験をもとに、学校現場の事情を分かりやすく伝えている(写真/稲垣純也)

次ページから読める内容

  • いじめの加害者が出席停止にならないのはどうして?
  • 保護者との連携を大切にしているが、こじれることも
  • 個人情報保護のために、事情を説明できないもどかしさ
  • 面談でいじめのシグナルをキャッチ。行事後は要注意
  • 「いじめはなくなるのか?」という疑問を先生にぶつけた

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