学校への取材経験が豊富な教育ライターの佐藤智さんが、現役の先生たちに保護者が気になることを聞いていく本連載。連載第4回のテーマは「新学年の不安」です。進級したり、担任の先生が替わったりして「うちの子は大丈夫かしら?」と心配している人もいるのではないでしょうか。担任の先生は、新学年が始まるときにどんなことに気をつけていて、何を保護者に伝えたいと思っているのでしょう。保護者会では出てこない先生のホンネや小学校のリアルな事情を聞いていきます。

【親が知りたいことを直撃! 先生のホンネ 学校のリアル】
これまでのラインアップ

いじめた側を出席停止にしないのはなぜ? 先生の本音は
探究学習は調べ学習と違う? 適当にやる子ヘの指導法
通知表はどのようにつけている? カギは3つの「観点」

【話を聞いた先生】
A先生 神奈川県の公立小学校に勤務。新卒で先生になり10年目。
B先生 都内の公立小学校に勤務。新卒で先生になり13年目。
C先生 千葉県の公立小学校に勤務。新卒で先生になり7年目。

先生は「黄金の3日間」に気合を入れて臨んでいた!

 「教員間では『黄金の3日間』という言葉があるんです」

 そう語るのは、小学2年生を教えるA先生だ。「黄金の3日間」とは、新学年がスタートしてからの3日間を指す。ここで新しい担任に対して子どもたちが持つイメージが決まるとA先生はいう。

 この3日間で子どもたちは「この先生は他人に迷惑をかけるようなことに厳しいだろうか」といった新担任の傾向を理解する。「この先生は騒いでも注意しない」といったイメージを持たれてしまうと、学級崩壊にもつながりかねない。A先生は「お互いに心地よい緊張感がある重要な期間です」と言う。

 新学年のスタート時期、先生たちは子どもたちが「このクラスは楽しい」と思い、学校に通いやすい雰囲気づくりにも心を砕く。初めから勉強、勉強……と厳しくするよりは、読み聞かせやレクリエーションなどを取り入れて、慣らし運転から少しずつ通常運転に移行していく。

 保護者としては「新しい学年になってうちの子は大丈夫かしら」と不安になる時期でもある。特に大きな不安として、「友達ができるかどうか」を挙げる保護者は多い。しかし、先生になって13年目のB先生によると新学期は子どもたちにとってはそこまで「キツイ」タイミングではないという。

 「夏休み明けは、学校に行きたくないあまり自殺する子が増えるといったことを耳にします。進級時も不安はありますが、子どもにとって心機一転のよいタイミングでもあります」

 たしかに進級はクラス替えによって、関係性がよくなかった友達から離れられたり、新たな友達ができたりするタイミングだ。「不登校だった子が新しいクラスになってスイッチが入ったように学校に来るようになることもあります」とA先生は語る。

次ページから読める内容

  • プレッシャーをかけず、新たなクラスを子どもと楽しもう
  • 新たな担任にどう向き合う? 前の担任は何を思っている?

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