幼児期や小学校低学年までは「パパ大好き」と言って寄ってきてくれた天使のような娘が、思春期になってパパとの間に一定の距離をとるように……。よくある光景ではありますが、パパにとっては寂しく、戸惑いも大きいもの。高学年の娘とパパ、そしてママはどのような関係を保つべきなのでしょうか。目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授の小野寺敦子さんに聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
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思春期の子が親と距離をとるのは当然のこと

 小学校高学年になると、「ただいま」と帰宅しても子どもが駆け寄ってきてくれなくなり、スキンシップを嫌がられたりと、戸惑い、寂しさを感じる親は多いでしょう。特に、娘が父親に対して以前と違う態度を見せるようになる、というのはよくある光景ですが、「これは極めて自然なこと」と、父親と思春期の娘の関係に詳しい目白大学人間学部心理カウンセリング学科教授の小野寺さんは説明します。

 「10歳の子どもを調査したところ、男の子はパパともママとも仲が良い一方で、女の子はパパよりママと仲が良い傾向がありました。10歳ぐらいになると、娘は異性である父親を意識し始め、ちょっと距離をとるようになるのです。

 思春期は第2次性徴を迎え、生理が始まり体つきが女の子らしくなってくるなど身も心も大きく変化する時期です。娘がこうした時期を迎えたことを理解し、成長を見守ってほしいのですが、デリケートな時期だけに接し方が難しいのも事実です。

 ママは昔、自分も体験しているので、娘の気持ちを理解できるのですが、パパにとっては、娘の態度や変化が理解しにくいのです。娘が父親と距離をとりたいと思い始める時期ということを理解せずに接しようとすると、最悪の場合『ウザイ』『キモイ』と言われることになりかねません」

 最愛の娘から嫌われないために、父親は思春期の娘にどのように接すればよいのでしょうか? 次のページから父親が知っておくべき娘への接し方のポイントや、この時期の母親の役割などについて小野寺さんに伺います。