4月に始まった保育園にやっと慣れてきたタイミングで迎えるGW。連休明けには、子どもが「保育園に行かない!」とごねたり、園に送って行ったときに、ママやパパに抱きついて離れなかったりして、「仕事に遅れる!」と、あわてて保育園を後にするママ・パパも多いかもしれません。そんなとき、泣いているわが子にどう接することで、子どもの気持ちは軽くなるのでしょうか?

今回は、子ども番組の監修も務める非営利団体コドモノミカタ代表理事 井桁容子さんにお話を聞きました。「子どもの気持ちの代弁者」ともいわれる井桁さんは、園への送迎時、親にどんな声掛けや対応を意識してほしいと考えているのでしょうか?

【年齢別特集 保育園ママ・パパ向け】
(1) 園の送りでギャン泣き 子どもが安心する声掛けとは?  ←今回はココ
(2) 保育士への不満 本音は伝えつつうまく連携するコツ
(3) 親子で外遊び!心底楽しめる大人はここが違う
(4) 子どもに「正しい遊び方」まで押し付けていないか?

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

親の都合ではなく、子ども目線で“ギャン泣き”の理由を考える

 大型連休明けの5月。ママやパパにしがみついてわんわん泣く子どもを、力ずくで保育士に託して仕事に向かう親たちの姿も珍しくないかもしれません。

 ただでさえ忙しい朝ですから、いつまでも子どもがべったりだと「もう会社に行くからね!」などと言い残して立ち去ってしまいたくもなりますが、駅までの道すがら、「本当にこれでよかったのかな?」ともやもやすることも……。40年以上にわたって保育士として働いてきた井桁容子さんは、「一歩立ち止まって、『子どもの目線』で考えてみることが大切」だと話します。

 「大人と子どもでは、『保育園』の概念が全く違います。親からすると保育のプロに預けると思って安心できていても、子どもにとってそこが安心できる場所であるとは限りません。しかも、新生活が始まってたったの1カ月。大人にも5月病があるくらいですから、大型連休後に、子どもが『毎日通っていたあの場所はなんだったのか?』『なんであんな思いをしなければならなかったのか』と疑問に思ったとしても、何も不思議ではありません

 朝のお別れの際、子どもがギャン泣きするにも、子どもなりの理由はあるはずだと井桁さん。

 「普段から、親が自分の都合ばかりを子どもに押し付けてしまうと、子どもも『それではこちらも勝手にさせてもらいます』ということになってしまいます。親が子どもの気持ちにきちんと気付いて、できる範囲でその気持ちに応える積み重ねを経験している子どもは、いざというとき、親の言うことを聞いてくれるもの。朝の送りで子どもがごねたら、まずは子どもが嫌がる理由にしっかりと耳を傾け、その気持ちを大人が代弁してあげることが大切です

 次のページでは、子どもが保育園を嫌がる理由として考えられるパターンと、そのとき親が代弁すべき声掛けの例をご紹介します!

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<次のページからの内容>

● 子どもが保育園を嫌がる理由と、それに合わせた親の声掛け
● 親が子どもに“ゆずる”行為は、仕事よりもあなたが大切というメッセージになる
● お迎えの時には、仕事の面白かったことを子どもと共有する