子どもの成長はうれしいものですが、保育園から小学校へと進むにつれて、「うちの子は、まわりのお友達とうまくやっていけるだろうか」と心配になることも増えてきます。ちょっとくらいのけんかは、誰もが通る道と思えても、いじめとなると話は別。エスカレートする前に適切に対処をし、いじめから子どもを守ることが重要となってきます。

 もしわが子にいじめを打ち明けられたら。もしくは、打ち明けられないまま、いじめられている証拠を発見したら。親はどうすればいいのでしょう。誰に相談すればいいのか? 子どもにはどう声をかけるべきか? ―――いじめ問題の第一人者である大学教授、現役スクールカウンセラー、いじめに立ち向かうNPO法人の専門家などに取材をしました。第2回の記事では、読者アンケートの結果を紹介します。

【子どものいじめ・SOS 親ができること 特集】
第1回 いじめ コップに一滴ずつ水を注がれるような苦しみ
第2回 「いじめに親はどう対応したか」 読者アンケート ←今回はココ
第3回 子どものいじめ なぜ親にすぐ打ち明けないのか
第4回 親の「聞く力」がいじめの解決を左右する
第5回 いじめ問題「先生のNG対応」 親が変えるには
第6回 いじめから不登校に。でも、また立ち上がれる

 アンケートでは、いじめ問題という答えにくい内容だったにもかかわらず、58人が回答を寄せてくれた。「子どもが過去にいじめを受けた」と回答した人は69%、「今、いじめを受けている」と回答した人は5.2%。約74%が子どものいじめを経験している。読者はそのとき、どう対応したのか。コメントを中心に紹介しながら、傾向を見てみよう。

いじめを受けた期間は1カ月から半年未満が最多

 「いじめを受けた期間はどのくらいでしたか」という質問に対し「1カ月~半年未満」と回答した人が32.6%と最も多い。しかし、「1年~2年未満」「2年以上」と回答した人も合計で16.3%おり、いじめ問題が長期化したことを伺わせる。

軽い悪口から言葉の暴力、物を捨てられた子も

 いじめの内容についての質問には、上記グラフのような結果が出た。いじめを受けた当時の子どもの年齢にもよるが、暴力を伴ういじめを受けた子どもも少なからず存在する。また、暴力はふるわれていないものの「物を隠された」「捨てられた」「奪われた」などの回答も見られた。

LINEいじめ、学童保育内でのいじめも

 読者の子ども達は、具体的にどんな内容のいじめを受けたのだろうか。

■ 一人の女の子に執拗に目の前で悪口を言われた(45歳母親・パート、アルバイト・子どもは小学校1年生)

■ ぶつかったふりをして突き飛ばされて転ばされた。係の仕事などきちんとやっているのに「何もしない」と言われた(45歳母親・休職中・子どもは小学校4年生)

7~8人の集団対1人で、仲間外れにされた(ドッジボールなどの遊びに入れない、入れても自分たちに都合のよいルールを作り、一緒に遊べないようにするなど)(43歳母親・専業主婦・子どもは小学校2年生)

■ 特定の子に物を隠されたり、無視や仲間外れにされた。子どもが言ってもいない、やってもいないことを「言った、やった」と先生に告げ口した(47歳母親・専業主婦・子どもは小学校6年生と中学生以上)

上記のように、学校内で行われているいじめだけではない。

■ Twitterに悪口をかかれた。LINEグループでしゃべるなと言われたり、悪口を書かれたりした(43歳母親・パート、アルバイト・子どもは小学校3年生)

■ 学童から自宅への帰り道、学童の先生の目が届かなくなると、特定の子から「死ね」と言われたり、蹴られたり、叩かれたり、ものを奪って投げられたりした。それが毎日のように続き、子どもは学童への登室拒否になった。家でも「学童は嫌だ」「生きているのが辛い」といった発言をするように(42歳母親・正社員・子どもは小学校3年生と中学生以上)

■ 学童保育でおやつの前に難しいゲームをやらされ、負けたらおやつを食べさせてもらえなかった。指導員には見つからないように行われていた(43歳母親・正社員・子どもは年長と小学校4年生)

 ネットいじめや、親や教師の目が届かない学童保育でのいじめも起きているようだ。これらのいじめに対し、親はどのような対応を取ったのだろうか。

<次ページからの内容>
・いじめに気づいて、どんな行動を取った?
・教師の対応に不満を持った人も
・夫と妻が協力していじめを解決
・共働きがネックになることはある?
・いじめを親は気づけるのか