保育園に子どもを通わせていると、そこがどんなにいい園でも、保育方針や日々の指導内容などに対して、何らかの疑問を感じる場面はあるかもしれません。第1回で紹介したアンケート結果にもあるように、先生への感謝の気持ちは十分あっても、衛生面や安全面、保育施設の運営面での不安は日常的に存在しています。今回は、保育園に子どもを預けている中で、様々な問題に直面し、それを解決するべくアクションをとった保護者の方々に、問題解決までの道のりについてお話を伺った結果をまとめました。同じような悩みがあったとき、あなたならどう行動するでしょうか? モンスターペアレンツ、いわゆる“モンペ”と言われないための上手なクレーム術に迫ります。

【「今、保育園が危ない」特集】
第1回 「園の運営に対して不安に感じる」親は50.8%
第2回 「保育の質」は下降する!? 今、親にできること
第3回 保育の質を改善するには、親達の「つぶやき」が必須
第4回 保育園“モンペ”にならない上手なクレーム術とは ←今回はココ!
第5回 現役保育士の座談会「保護者には何でも言ってほしい」
第6回 公立園と民間園では雲泥の差。厳しい「保育士事情」
第7回 わが子を保育園で亡くした夫婦 事故防止策を作成

ケースA:なぜ私だけ? “規則”がどんどん厳しくなる謎

 これから紹介する4つのケースは、第1回で掲載したDUALアンケートの回答を基にした内容です。アンケートへの自由記述を読み、より詳しく聞きたいと思った方に連絡して、さらに詳細を聞き取りました。1人目であるS・Uさん(認可民営保育所/子1歳)の悩みは、お迎えの時間帯についてどんどん規則が厳しくなり、園のルールを破っていると疑いを掛けられてしまったということ。解決を求め、園長に直談判をしますが……。

「園には『勤務時間+通勤時間=保育時間』という原則があります。当然私も夫もそれを理解して守っています。私は残業も多いため、基本的には朝の送りは私、迎えは夫としています。ところが時々、私が迎えになるときに限って、『勤務時間』をカサ増ししているのではないかと、担当の保育士に指摘されるようになりました。残業の際は事前に連絡していますが、他の保護者や夫は何も言われず、私だけ強い口調で指摘されるような気がして、何度も言い争いになってしまいました」

残業の証明書を出すよう保育士に要求されたり、延長保育が多過ぎると苦情を言われたりすることが続き、精神的にも参ったS・Uさんは転園も視野に入れ、園長に直談判しました。


「2月から3月にかけて言い争いになったので、認可外園に転園希望の問い合わせをし、延長保育の代わりのシッター契約をしたうえで、園長先生に手紙を書いて面談で話を聞いてもらいました。園長先生は私の言い分を認めてくれ、保育士に指導をしたうえで担任を交代させると申し出がありました」

「保育園激戦区なので認可外園にも空きがなかったことと、担任の交代があったので、在園を続けて様子を見ています。延長保育の利用は減らし、シッターを月に1度程度使うようになりました。ただ、一度こうなってしまうと、クレーマー扱いされているのではないかという嫌な気持ちは消えません。正直、わだかまりが消えたわけではなくモヤモヤしています」

 S・Uさんのように、保育士とのコミュニケーションがこじれてしまうと、転園を考えるほど悩んでしまうこともあります。そうなると園長に相談し表面上は解決しても、やはり居心地の悪さや不満は残るようです。

画像はイメージです
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<次ページからの内容>
・ 「オムツ交換の頻度が下がっている」
・ 「うちの子が年上の園児から2年間悪口を言われ続けていて……」
・ 「代替が必要な食材のチェックが漏れていた」
・ 園長が突然「私を含め、職員13人が退職します」と発表した!?

次ページから読める内容

  • ケースB:クレームではなく「相談・質問」の姿勢を心がけて
  • 「私が感じる疑問点はすべて、人手不足が原因だと思います。掲示板に出されるはずの『週案』が更新されないとか、おむつ交換の頻度が下がっているとか、子どものロッカーへ入れる着替えや製作物の入れ間違いがある、といったことがたびたび起こるのです。
    また、夕方の異年齢保育の時間帯に、0歳児(ハイハイ前)と2歳児が同じ部屋で過ごしているのも安全面から不安でした。保育士が2歳児に『走らない』『大声を出さない』と約束させてはいますが、遊んでいるうちに、ついつい走り回ったりしてしまう子もいるのではないかと心配です」

  • 「人手不足については抜本的な解決は見られないものの、安全面の不安も含め、問題をその都度先生に相談することで、きちんとした対応が見られました。ちゃんと答えてもらうと信頼できますし、日々の保育についてもとても丁寧に見ていただいていてとても感謝しています」

  • ケースC:「親が楽な保育園」だからこそ!? 不安は募るばかり
  • 「娘が2歳のときから、2年間、年上の園児から悪口を言われ続ける状態がありました。娘がちゃんと言葉で言えたのは3歳になってから。保育園に行きたがらなくなり、行っても上級生と関わるプログラムの前には逃げ回るようになったので、私が家で娘に聞いて初めて状況を把握しました。

    また、保育園の入り口が自動ドアになっていて、押しボタンをプッシュすれば誰でも簡単に入れるので以前からセキュリティーが心配でした。しかも自動ドアが壊れるハプニングが多く、開けっ放しで保育中、子どもが脱走したこともあったのです」

  • 「結局、親が連絡帳に書いたから対応したといった感じで、『子どもが訴えても保育士さんは動いてくれないんだなぁ』と思いました。入園してから知ったことですが、うちの子が通う保育園は親が参加する会合などが少なく、働いているママさんにとっては『便利な保育園』『親が楽できる』という評判があるそうです。ただ、それが関係あるかは分かりませんが、保育園の内部のことやイベントについての注意事項が親に説明される場面がなく、お知らせや連絡帳、個別に先生をつかまえて話すというやり取りが中心です。親の訴えについての対応も『なんだか軽くあしらわれているみたいだな』という印象を受けました」

  • ケースD:アレルギー対応に不備! 謝罪もなく不信感
  • 「アレルギー食材の除去に関しては、保育園から事前にチェックしたアレルギーに該当する献立を知らされ、保護者が代替食を準備することになっています。しかし、ある日の献立で本来は代替が必要な食品のチェックが漏れていました。園からの電話連絡で、園は不備を認め、『園側で代替食を準備して食べさせるので了承してもらえるか』と言われたため、『お願いします』と対応をお任せしました。ただ、その日のお迎えに際して、担任からもアレルギーの件についての謝罪・報告はなく、こちら側から聞いて初めて回答したという状況であったため、不安が募りました」

  • 「園長と担任に話し合いの時間を取ってもらえるようお願いをしました。同時に、話し合いの焦点が拡散しないように、聞きたいことを文書にまとめて渡すことが非常に重要であったと考えています。通常のビジネスの手法ではありますが、感情論や、なあなあの結論にならないためにも、求める点を明確にしたのが良かったと思います」

  • ケースE:青天の霹靂! 保育士大量辞職で保育園存続の危機
  • 問題解決はビジネスライクに。LINEを大活用
  • 保育園VS保護者 問題解決5つの法則

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