発達障害の悩み、相談をするタイミングはいつ?
わが子の様子を見ていて「これって、もしかして発達障害?」と不安になった。あるいは、3歳児健診や保育所・学校の先生から「一度、専門機関に相談してみては」とやんわり指摘を受けた――。そういうときに多くの親は混乱したり、戸惑いを感じたりするものです。
そもそも子どもが発達障害なのか否かというのは、発達障害を専門とする医師でないと判断が難しいものです。子どもは成長の途上にいるので、色々な点で幼さがあるのは当然です。また、その子が持って生まれた性格・性質もあります。親の中には「自分も子どものときに同じようなところがあったから、成長すれば問題は無くなる」と考える人もいるようです。
子どもの成長を信じて様子を見ていていいのか、治療や専門的なケアを受けるべきなのかと、迷う人も多いはずです。相談をするか否かは具体的にいつ、どのようなタイミングで判断すればいいのでしょうか。
名古屋学芸大学・教授の黒田美保さんは、アメリカをはじめ、世界的には「早期発見・早期介入」の流れになっていると話します。
「特に自閉症スペクトラム障害の場合、1歳半~2歳ごろには、親とあまり目を合わせないなど、何かしら独特の兆候が出ているケースが少なくないようです。そうした様子に気づいたら、早い段階から専門的な療育をしていくと、社会性の発達などがかなり改善することが分かっています」
「ADHD(注意欠如/多動性障害)は、多動性や衝動性が特徴ですが、3歳ごろまでの幼児、特に男の子は、落ち着きがなかったり、そのときの興味に応じて動き回ったりするものです。ですから年齢からくるものなのか、ADHDなのかは、なかなか区別がつかないこともあります。おおむね5~6歳ごろになって判断をするケースが多いようです。LDは、学習面に困難さが現れますから、基本的には小学校に上がってから診断を受け、専門教育を始めるというのが一般的です」