「何歳になっても自分が好きと思えることに打ち込んだり、仕事にし続けたりする人生を送りたいと思っている」、または「年を取っても退職しても収入がゼロにならないように、今から備えておきたいと考えている」という人に向けて、役立つ資格特集をお届けします。
 第2回のテーマは「化ける資格」。取得者が多い定番資格や人気資格について、どのように差別化すれば仕事に生かせるかをお伝えします。キャリア&マネー協会の代表を務めるキャリアコンサルタント・高村祐規子さんと、資格専門誌『稼げる資格』編集長として、多くの資格取得者を見てきた乾 喜一郎さんのお二人のエキスパートにお話を伺います。さらに、40代から学び始め、60代になった今も資格を生かして活躍しているアロマテラピーインストラクターの女性の成功事例からも、ヒントを探ってみましょう。

【末永く働くために 食べていける資格、取っておきたい資格 特集】
第1回 消えゆく資格と生かすワザ 稼げる資格特集
第2回 取得者多数の定番資格が「化ける資格」に? ←今回はココ
第3回 狙い目の穴場資格、地方移住でも使える資格
第4回 コスパのいい資格、稼げる資格 スクール受講料相場
第5回 資格取得にどのくらい時間かかる?有効期限も要確認

 定番の資格や人気が高い資格など「すでに取得者がたくさんいる」資格は、後から取っても通用しないのでは……と思う人もいます。しかし実際には、これまでの経験を生かしたり独自の工夫をしたりすることで他者との差別化を図り、「新参」ながら活躍している人は少なくありません。

 成功している人々の多くに見られるのは、次のようなパターンです。

●複数のスキル・資格を組み合わせている

 一つだけ資格を持っている人は大勢いますが、関連する資格をいくつか持つ人は「複数の業務やオーダーに対応できる」「相乗効果を発揮する」という点で企業から重宝されたり、開業したりして顧客を獲得しています。一例を挙げてみましょう。

■「簿記2級以上」+「社会保険労務士」や「キャリアコンサルタント」
→中小企業で経理と人事を兼務できる

■「宅地建物取引士」+「ファイナンシャル・プランナー」
→不動産業界で土地活用提案と仲介業務を担える

■「トリマー」+「ペットシッター」や「ドッグトレーナー」
→ペット業界への就職、開業の成功率が高まる

■「ヨガインストラクター」+「薬膳アドバイザー」など食関連資格
→美と健康を2つの側面からサポートでき、開業の成功率が高まる

 組み合わせ方は百人百様。自分の強みをより生かせる「合わせ技」を見つけるのがポイントです。

 なお、「合わせ技」で差別化するためには、これまでの実務経験も意識して生かしましょう。例えば、成功している人には、次ページのような経験・スキルを「合わせ技」として生かしているケースが多く見られます。

<次ページからの内容>
・どんな実務体験やスキルが「合わせ技」として有効か? プロが教える具体例
・資格を生かして成功した人に共通する、重要なこと
・50代で資格を取得、60代で活躍の場を拡大した女性実業家の例
・成功のポイント一問一答&開業にかかった費用は? 収入は? 家族の反応は?