子どもたちがバラエティー番組の「ひな壇」タレントのように自由にトークを展開する「MC型授業」や、掃除の時間に曲を流し、サビでダンスを踊る「ダンシング掃除」など、斬新な授業が話題の東京学芸大学附属世田谷小学校の沼田晶弘先生。「ぬまっち」の愛称で知られ、著書やメディアで、そのユニークな授業や子どもの自主性を引き出すコツを発信しています。この連載では、ぬまっち先生に、親が気になることや家庭教育へのアドバイスを聞いていきます。

【プロローグ】新連載読みどころ/ぬまっち先生 子の自立心育てる授業
【1回目】ぬまっち先生 笑顔の練習で「ほめられスキル」伸ばす
【2回目】ぬまっち先生 子とのフラットな関係で学びが広がる←今回はココ

何かあったときのために子どもとフラットな関係を築きたい

 皆さん、こんにちは。ぬまっちこと沼田晶弘です。僕は東京学芸大学附属世田谷小学校で先生をしています。

 僕は自分が担任するクラスの子どもたちとフラットな関係になるように務めています。「フラット」というワード、最近よく聞くようになりました。「平らな」という意味ですが、人間関係で言うと「上下のない、対等な」という意味で使われていますね。

 なぜフラットな関係を大切にしているかかというと、子どもに「何か」あったとき、僕に相談しやすいからです。何かあったときに言いやすい人間関係というのは、特に用はないときにも気軽に話しかけられるような関係です。だって、何かあったときだけ話しに行くのって行きづらいですよね。これは親子関係でも同じだと思います。

 そこで今回は、子どもとフラットな関係をつくるために僕が心掛けている3つの試みを紹介していきます。家庭でも取り入れられるので、ぜひ参考にしてください。

用がなくてもコミュニケーションを取っていいと教える

 クラスの中にはいろいろな子がいて、コミュニケーションを取るのが上手な子は、用がなくても「あのさぁ」と話しかけてきます。そういう子は何かあったときも言ってくれるでしょう。気になるのはそうではない子です。

 そこで、「最近話していないな」という子には僕からアプローチします。といっても今は、コロナ下で大きな声で話すことははばかられていますし、貴重な休み時間は外で遊ばせてあげたい。となるとなかなかゆっくり話す機会がありません。

 だから、僕はちょっとしたスキマ時間に、コミュニケーションを取りたい子をじっと見ます。何もないけれど見ているのもコミュニケーション。見られているのに気づいた子は「何? 何かあるの?」とちょっと警戒しながら反応してくれます。

僕:「何でもないよ」
子ども:「何もないのに見られると気持ち悪いよ」
僕:「え~? 担任が子どものことを見るのに理由が必要なわけ?」

 たわいもないやりとりですが、子どもはだんだんニコニコしてきます。「用がなくてもコミュニケーションを取っていい」ということを伝えたいし、子どもたちとそういう関係を築きたいと思っています。

ぬまっちこと沼田晶弘さん
ぬまっちこと沼田晶弘さん

次ページから読める内容

  • ホームでは敬語は不要、でもリスペクトは大切にさせる
  • 子どもに敬意を払うことでフラットな中にリスペクトがある関係に
  • フラットな関係があるからこそ子どもが自分で学びを広げられる

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