複数人の子どもがいる家庭では、きょうだいゲンカはつきものです。しかし、高学年の子どもと下の子のケンカが、いつも以上にエスカレートしている場合、そこには別の原因が隠れているのかも。スクールカウンセラー経験のある臨床心理士・精神保健福祉士の井上序子さんに、きょうだいゲンカを減らす方法について聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 子どもの嘘は親がつかせている? 高学年の親の対処法
(2) 高学年のきょうだいゲンカ 家庭外でのストレスも疑って ←今回はココ
(3) 親のお金を子が取っても「一度は見逃していい」理由とは

高学年特有の「きょうだいゲンカ」の要因がある

 小学校から帰宅した子どもたちが、毎日のようにきょうだいゲンカをしていて、「もう、うんざり……」と思っている親は少なくないはずです。

 上のイラストのように、親がいきさつを見ていない場合、ケンカの仲裁や判断ができないのが悩みどころです。しかし、だからといって「子どものケンカにノータッチ」というスタンスでいいのでしょうか。

 臨床心理士の井上序子さんは言います。「きょうだいゲンカは、親が介入しないと収まらないことも多いと思います。きょうだいゲンカの根底には、『私のことを見て』『僕のことを分かって』という親へのアピールがあります。その上、高学年になると、中学受験のプレッシャーや友達同士の同調圧力など、家の『外』で感じたストレスが、きょうだいゲンカとして表出しやすくなりますから、『最近、きょうだいゲンカが激しくなってきたな』と感じたら、『学校などで何かあったのかな?』と考えるようにしましょう」

 高学年の子どもは、他人と自分を比較して劣等感を持ったり、こうすべきだと分かっていても、それができない自分にストレスを感じやすかったりする、と井上さんは説明します。

 「高学年になると、実態のないものを理解したりイメージしたりする『抽象的思考力』が身についてきます。抽象的思考力とは、トマト、ナス、キュウリを一言で表現して『夏野菜』という共通点を見つけられる力で、これができるようになるのは、物事を俯瞰(ふかん)するようになるためです。その分、子どもは自分のことも客観的に見られるようになり、思い描いてきた自分と現実とのギャップに悩みやすくなるんですね」

 きょうだいゲンカを減らしたいと思ったら、まずは、子どもがストレスを抱えている背景は何か、どうしたら未然に防げるのか、に目を向けることが大切です。次のページから、井上さんに詳しく解説してもらいます。

次ページから読める内容

  • 高学年ではまだ、理由をうまく説明できないことも
  • 最終的には、子ども自身で解決できるような対応を
  • 親子関係を見直すと、ケンカが未然に防げる場合も
  • ケンカに発展しやすい行動は、事前にルールを決めておく

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