多くのお子さんたちは夏の日々を楽しんでいるころでしょう。一方、夏休みは子どもたちの間で「いじめ」がエスカレートしやすく、夏休み明けを思い、気持ちが重くなる子どもが増える季節でもあるのです。小学5年生の男の子の母親であり、日本テレビで、数々のいじめの現場を直接取材し、『いじめで死なせない~子どもの命を救う大人の気づきと言葉』を出版した岸田雪子さんに、現代のいじめの特徴や防ぎ方、対策などを詳しく伺いました。岸田さんのお話は同じ親としても目から鱗が落ちる内容ばかり。「現代の小学校のいじめ【親の思い違い】その4」から「その10」を、ポイントとしてご紹介します。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1) 自分の子が「あんなやつ、死ねばいい」と言ったら?
(2) いじめSOS 最も信じるべきは「親の勘」 ←今回はココ
(3) 小学校「体操着の下に肌着ダメ!」おかしい?納得?
(4) 女子が「ブラを買って」と言えない原因はママの言葉

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

担任の先生以外に、信頼できる先生を何人か見つけておく

「もしもクラス担任の先生に話しにくい事情があれば担任以外の先生にも相談していいと思います」(岸田雪子さん)
「もしもクラス担任の先生に話しにくい事情があれば担任以外の先生にも相談していいと思います」(岸田雪子さん)

 いじめの実態に詳しい岸田雪子さんは、「学校の先生は、学校で起こったすべての出来事を把握しているとは限りません」と言います。

 「学校でトラブルが起き、どちらかがケガを負ったにもかかわらず、先生がそれを知らない。そう聞くと親御さんは驚かれるかもしれませんが、こういうケースは意外に珍しくありません 。なぜなら暴力行為は先生の目につきにくい廊下の隅や靴箱などを選んで行われる傾向がありますし、暴力を振るわれた子どもにもプライドがあり、『別に転んだだけ。こんなこと、別に何でもない』と言ったりもするからです」

 「自分の子がケガをして帰宅するなどして事態に気づいた場合、親御さんから『こんなことがあったようです』と先生に伝え、学校全体として対策を考えてもらうことが大事だと思います。また、何か事件が起きたときには、その場面に居合わせた他の子どもたちもいます。そういう子たちが『こういうことがありました』と先生に話せるような学校作りをしていくにはどうしたらいいか、と考えていくことも必要でしょう」

 また、親の相談相手は、クラス担任の先生に限りません。「信頼できる」と思える先生を、校内に見つけておくことが大事だとも岸田さんは言います。

 「親御さんが学校と向き合うとき、特にお子さんが小学生の場合は 『まずはクラス担任の先生と話さなくては』と思いますよね。でも、もしもクラス担任の先生に話しにくい事情があれば担任以外の先生にも相談していいと思います。こといじめに関しては『いじめ防止対策推進法』により、『学校はいじめに組織で対応しましょう』ということが定められています。担任が一人で抱え込んでしまうと、解決を遠ざけてしまう場合があるからです。各学校内には『いじめ対策委員会』などの名前で、チームを設けることが法律で規定されていますから、そのメンバーの誰もが相談を受け付ける担当でもあるわけです」

 この「いじめ対策委員会」は、本来であれば学校側がメンバーの先生方も公開し、「私が窓口ですから相談に来てください」と広く告知すべきですが、それが行われている学校はまだ少ないようです。「できれば保護者の側が、委員会を構成する先生方を把握しておくといいでしょう。多くの場合、校長・副校長、学年主任は入っています。これに生徒指導、養護教諭、スクールカウンセラーが加わる場合もあります。『校長先生に話すなんて、事が大ごとになるのでは』と心配されるかもしれませんが、校長先生はむしろ校内を見渡し、管理職という立場からクラス担任の指導の在り方を見ている立場の人ですから心配は不要です」

 「お子さんにも『このことについて、どの先生にだったら話してもいい?』『この話を〇〇先生にしてみようと思うけれど、どう思う?』などと聞くのもいいと思います。実際に学校で生活する主役は子どもたちですし、彼らは『誰が信頼できる大人か』を実によく見ているものです」

◆現代の小学校のいじめ【親の思い違い】その4
 × 子どもの学校生活で気になることがあったら、クラス担任の先生に相談すべきだ。
 → クラス担任の先生以外の先生にも相談していい。特にいじめに関しては、いじめ防止対策推進法で、クラス担任の先生だけが抱え込まず、組織で対応することが定められている。
<次のページからの内容>
● モンスターペアレンツだと思われずに、学校にうまく相談するコツ
● 教室内でいじめや問題が起きやすいタイミング
● 保護者も“チーム学校”の一員
● いじめ防止対策推進法が規定する、保護者の役割とは?
● “いじめを隠す学校”と向き合う時は
● 子どものSOS「あれ? いつもと違う」に気づけるか
● いじめに「夏休み」はない
● 子どものいじめは、大人の写し鏡

次ページから読める内容

  • 学校側からモンスターだと思われないために
  • 見逃してはいけないSOSは「親の勘」
  • 夏休み中だからこそ注意すべきこと
  • 子どもは大人の写し鏡

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