低学年で学習する漢字の数は、1年生で80字、2年生で160字、3年生では200字です。学年が上がるごとに字画も字形も複雑になり、「漢字を覚えるのが大変……」と感じている子どもも少なくないでしょう。特別支援教育士スーパーバイザーで言語聴覚士の村井敏宏さんに、漢字に苦手意識がある子どもの4つのパターンと、それぞれに合った学習法を教えてもらいます。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 漢字の苦手な低学年が変わる タイプ別学習法とは? ←今回はココ
(2) 低学年の「食が細い」問題 5つの原因と対策
(3) 子の食べ過ぎ 無理なく改善する3つのアプローチ

大切なのは、子どものタイプに合った学習法で学ぶこと

 子どもの宿題やテストが学校から返ってきて、書き順をはじめ、トメやハネ、はらいなどを、赤ペンで直されているのを見たことがありませんか? すんなりできる子もいれば、中には、どうしても丸がつかない子もいます。子どもの読み書きなどの学習支援を行う奈良県の青丹学園で発達・敎育支援センター「フラーテルL.C.」の所長、村井敏宏さんはこう言います。

 「学習障害の診断がついていない子の中にも、潜在的に漢字が苦手という子は少なくありません。大切なのは、漢字に苦手意識を持たせない方法で学ぶこと。しかし、多くの教育現場では、細かい部分に注意しながら、何度も書いて覚える方法が取られており、そのやり方に向かない子が取り残されてしまっています

 村井さんは、漢字が苦手な子には、大きく4つのタイプがあると分析します。

 親が子どもの特性を知り、適切な学習支援をするためには、以下のチェックリストで、子どものタイプを知ることが大切です。

【わが子の「苦手タイプ」をチェック!】

 それぞれのタイプで当てはまるものをチェックしよう

「読みが苦手」タイプ →P2で詳しく解説!

□ ひらがなの覚えが悪かった
□ 「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」などの、小さな文字を書き漏らすことが多い
□ 漢字や熟語の読みを覚えるのが苦手
□ 意味が似ている単語があると、読み間違える(例:冬を「ゆき」と読むなど)
□ 文中に意味の似ている漢字があると書き間違う(例:店で牛(にく)を買うなど)
□ 勉強をしても、漢字テストの点数がよくならない
□ 漢字テストで、ひらがなの「読み」から漢字が思い出せない
□ 漢字を途中まで書いて見せると思い出せる

「正確な形を書くのが苦手」タイプ →P3で詳しく解説!

□ 漢字テストで、漢字の形が崩れていて減点されることが多い
□ 線や点の数が多かったり、少なかったりする
□ へんとつくりが逆になったり、「顔」「参」などの斜め線が逆の向きになったりしやすい
□ 部首を正しい位置に配置できない
□ 形の似ている、別の漢字に書き間違えることがある(親→新、教→考える)
□ 斜めに交わる漢字がうまく書けない(冬、客など)

「ゆっくり丁寧が苦手」タイプ →P4で詳しく解説!

□ 文字を丁寧に書くことが苦手
□ 枠の中に漢字を収めて書くのが苦手
□ 形が不正確(例:くち「口」をまる「◯」と書くなど)
□ 思い込みで違う漢字を書くことが多い
□ 何度も書かせるほど、漢字の形が崩れていく
□ 苦手なことに集中して取り組もうとしない
□ 間違い方のパターンが一貫していない

「不注意」タイプ →P5で詳しく解説!

□ 思い出す漢字の形が不正確
□ 漢字の一部分だけ形を間違う
□ 何度も同じ漢字を書いているとき、頭の中では別のことを考えている
□ 問題文をよく読まずに同音異字などを書く

 複数のタイプで多く該当した場合は、続けやすいものから実践していきましょう。次のページから、それぞれのタイプにぴったりの学習法を村井さんに解説してもらいます。

次ページから読める内容

  • 「読みが苦手」タイプの学習法
  • 「正確な形を書くのが苦手」タイプの学習法
  • 「ゆっくり丁寧に書くのが苦手」タイプの学習法
  • 「不注意」タイプの学習法

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