正解がないと言われる時代をたくましく生きていくために、不可欠なのが、「自分で考えて判断する力」。親が子どもの教育を考える上で、今、強く意識したいポイントでもあります。そこで、小学生に「考える力・伝える力」を教えている狩野みきさんに、低学年の子どもの親が家庭での会話の中で心がけたい声かけの工夫を聞きました。前編では、親子の会話を通じて考える習慣を身に付けるポイントを紹介しました。後編の今回は、言葉が発達してきた小2くらいからぜひ実践したい「クリティカル・シンキング」のトレーニング法をお伝えします。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1) 低学年から「考える」を習慣に 家庭でできること
(2) 小2から実践! 家庭でクリティカル・シンキング ←今回はココ
(3) 低学年お手伝い 親子で楽しみながらステップアップ

「何事もネガティブに考える思考法」ではない

 「考える力・伝える力」を大学や小学生向けのクラスで教えている狩野みきさんは、「自分の頭で納得するまで考えて、自分で答えを出す習慣を身に付けるためのトレーニングは、日本の社会に根強く残る『正解主義』に染まってしまう前の、思考がまだ柔軟な低年齢のうちからスタートすべき」と考えています。

 そこで前編では、未就学児から小1くらいまでの子どもが「考える習慣」を身に付けられる基本レッスンを狩野さんに教えてもらいました。この記事では、ある程度の語彙力が付き、自分の考えを言葉で表せるようになってきた小2くらいから親子の会話に取り入れていきたい「考え方・伝え方」の上級スキル、「クリティカル・シンキング」のトレーニング法を紹介してもらいます。

 「クリティカル・シンキング」は一般に「批判的思考」などと訳されますが、決して「何事もネガティブに考える」という意味ではないようです。「『批判する』というより、『根拠を大事にしながら、物事の是非を慎重に判断すること』といった意味として捉えるほうが、より正確だと思います」と狩野さんは言います。

 クリティカル・シンキングのトレーニングでは、以下の4つの習慣を子どもに意識させることが大切、と狩野さん。

<クリティカル・シンキングで大切な4つの習慣>

【1】 考えて意見を述べようと思う対象について、きちんと理解する
【2】 一つの考え方に固執しない。いろいろな角度から考えてみる
【3】 事実と意見は違うことを認識する
【4】 未来(次の展開)を予測する習慣を身に付ける

 それぞれの項目について、次ページから、具体的な声かけ例も交えながら狩野さんに解説してもらいましょう。

次ページから読める内容

  • クリティカル・シンキングで大切な4つの習慣
  • 考えたこと、これからやろうとしていることに責任を持たせる
  • どんな意見も「まずは受け止める」。ただし褒め過ぎない
  • 親の「なぜそう思ったの?」の一言で、考えが一層深まる

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