今や共働き家庭は数が増え、妊娠しながら働いたり、出産・育児で休むことは珍しくありません。しかし、妊娠したことで嫌がらせを受けたり、働きづらくなるように追い込まれることはまだまだあるようです。いわゆるマタハラ・パタハラです。

 今回、日経DUALでは、読者アンケートで、マタハラ・パタハラを受けたことがあるか、それはどのようなものだったかを伺いました。そのデータと共に、マタハラ・パタハラに遭ったらどのような対処をすればよいのかを、労務問題にも詳しい弁護士の高橋麻理さんにお聞きしました。

(日経DUAL特選シリーズ/2018年4月収録記事を再掲載します。)

【年齢別特集 妊娠・育休】
(1) アラフォーは血圧に注意 休めのサインを見落とすな
(2) 新型出生前診断が一般診療へ 妊婦の混乱を防ぐには
(3) 「これってマタハラ?」にママ弁護士がアドバイス ←今回はココ
(4) 電車で駅で増加中 社会のマタハラにどう対処する?

子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

本アンケートは2018年4月2日~4月15日に実施。読者76人が回答。回答者の内訳は女性が89.5%、男性が10.5%だった。子どもの人数は1人が42.1%、2人が46.1%、3人が10.5%。子どもの年齢(複数回答)は、0歳が26.7%、2歳が24.0%、年中が21.3%の順に多かった。

マタハラ・パタハラから身を守る方法を身に付けよう

 弁護士の高橋麻理さんは小4の子どもを育てるママでもあります。知人にも働く子育て世代の人が多く、今回の取材に当たって話を聞いたところ、働く妊婦さんやママ・パパに対する理解が予想以上に浸透していないと感じたそう。

 当事者である妊婦さんやママ・パパは制度をしっかり知って、自分を守るすべを身に付ける必要があるといえそうです。まずは、高橋さんにどのようなことがマタハラ・パタハラなのかを聞いてみましょう。

 「マタハラというのは、妊娠・出産、産前・産後休業や、育休などを理由として会社が不利益な取り扱いをしたり、上司や同僚が嫌がらせをすることです。 パタハラは、妊娠・出産、育児に関わろうとする男性に対して、上司や同僚がその行為を侵害する言動に及ぶ行為です

 例えばこういったことがマタハラ・パタハラに当たるそうです。思い当たることはありませんか?

・妊娠した、出産した
・妊婦健診のため仕事を休んだ
・つわりや切迫流早産で仕事を休んだ
・産前・産後休業、育児休業を取った

これらを理由として下記のようなことがあればマタハラ・パタハラです。

・解雇された
・契約が更新されなかった
・パートになれと強要された
・減給された
・降格処分された

アンケートで6割がマタハラ・パタハラ経験者

 読者アンケートでも、職場でマタハラ・パタハラを受けたという人は57.9%もいて、対岸の話ではないことを実感させます。読者アンケートではマタハラ・パタハラに遭ったときの働き方は84.1%が正社員、契約社員が6.8%、派遣社員、パート・アルバイト、フリーランスが各2.3%でした。ハラスメントの主な内容は下記のようなものです(複数回答)。

嫌みや傷つくことを直接言われた 71.0%
退職を勧められた・強要された 29.0%
陰で傷つくことを言われた 29.0%
体調が悪くても仕事を変えてもらえなかった 25.8%
引き継ぎがなかなかできなかった 22.6%
希望しないのに仕事を減らされた 19.4%

 具体的にどのようなハラスメントを受けたのか、紹介しましょう。

傷つくことを直接言われた

●職場の飲み会で、「こんな忙しいときに妊娠しやがって」などと言われた。その後も事あるごとに、「妊娠しやがって」と何度も言われた。

●年下の女性社員に「妊婦ってみっともない」「人間とは思えないスタイルになる」など聞こえよがしに言われた。今思うと、産休を取る私に嫉妬していたのかもしれない。

●時短なんてあり得ないと言われたり 、母親になるのに正社員で育てられるのかと言われたり、 重い荷物を先輩に持たせるなんて等の嫌みを言われた。

●妊娠したときに、本当に産むのかと聞かれた。体調が悪くなったら、辞めないのか確認され、追い詰められた

希望しないのに仕事を減らされた

●職場で唯一の総合職女性として、初めての妊娠でした。制度は整っているものの、会社のメンバーは妊婦の扱いに慣れておらず、無駄に仕事を減らされたり、「産んでも働けるの?」ということを言われたり、産休育休に入るに当たっては、「男だったらよかったのにね~」と言われた。復帰後も、以前のような仕事は与えられず、正直やることがなくなった。モチベーションが保てず、毎日苦痛です。

体調が悪いときのフォローがなかった

●つわりで休んだ日に、私の担当の代わりがいるはずなのに(何人かに引き継ぎもしてありました)、みんな知らんぷりしていたようで、翌日上司から苦言を呈された。

女性からの無神経な発言があった

●年配の女性、独身同僚女性から大きなおなかを無断で背後から触られることが多く不快だった。「大きいから触っちゃったー」というが、じゃあ、あなたの胸が出っ張っているからと無断で触ったらどう思うのか? 胸はダメで妊婦のおなかなら無断で触っていいということはない。同じ女性なのにこういうことも分からないのかとデリカシーのない人が多くてイライラした。

 アンケートからは実に多くの方が、マタハラに悩んだ経験があることが分かりました。次ページからは妊婦さんや育児中のママ・パパが法律的にどのような扱いを受けることになっているのかを高橋さんに聞いていきます。

<次のページからの内容>
● マタハラ・パタハラに関わる2つの法律
● ハラスメントをしているのは上司と女性同僚が多数
● 事業所には相談窓口を設けるべきとされている
● 職場で話したくない場合は労働局や弁護士に相談
● ハラスメントにあったら記録を付けておこう
● 読者のハラスメント経験にママ弁護士がコメント

次ページから読める内容

  • マタハラ・パタハラに関わる2つの法律
  • ハラスメントをしているのは上司と女性同僚が多数
  • 事業所には相談窓口を設けるべきとされている
  • 職場で話したくない場合は労働局や弁護士に相談
  • ハラスメントに遭ったら記録を付けておこう
  • 読者のハラスメント経験に高橋さんがコメント

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