この特集では、2人目が欲しくてモヤモヤする気持ちや横たわる現実についてお届けしてきましたが、今回は、2人目が生まれるときに起こるかもしれない、まさかの問題にスポットを当てます。誕生以来、「目に入れても痛くない」と思うほどかわいがってきた上の子を、下の子が生まれた途端、「“かわいい”と思えない」「きつくあたってしまう」と悩むママは少なくないといいます。

原因は何? 一体いつまで続くの? カウンセリングオフィス心葉の副代表で公認心理師・臨床発達心理士の稲吉静さんと、ほあしクリニックの副院長で公認心理師・臨床心理士の帆足暁子さんに、そのメカニズムと具体的な克服方法について詳しく聞きしました。

【1人っ子確定? 2人目どうする問題のリアル】特集
(1) 1人っ子親の約9割「理想の子どもの数は2人以上」
(2) 不妊治療 諦められない2人目…モヤモヤはいつまで
(3) 子どもを理由にしない 夫婦のセックスレス脱却法
(4) 求める夫と逃げる妻 男女別セックスレスの言い分
(5) 出産を機に上の子をかわいく思えなくなった…なぜ? ←今回はココ

「上の子かわいくない症候群」の現状を調査

 読者アンケートでは、「下の子が生まれてから、上の子をかわいいと思えなくなったことはありますか?」の質問に対して、以下のような回答結果となりました(アンケートの実施期間は2019年6月6日~30日。回答者数は199人で、そのうち92%が女性)。

  下の子が生まれてから、「上の子をかわいいと思えなくなった」と感じることはありますか?

 なんと、2人以上子どもがいる人(n=89人)の、1/2以上が「ある」と回答したのです。

 こうした背景には何があるのでしょうか? 専門家への取材でわかってきたのは、悩みを抱えるのは多くはパパではなくママであり、ママ自身が抱えている意外な「心理的な問題」の存在です。ママが潜在的に抱えている心理とは一体、どのようなものでしょうか?

<次のページからの内容>

● 現代の親に共通する「●●」という心理
● 「身体的」「環境的」「心理的」から見えてくる要因とは?
● 専門家からのメッセージ 自分は「ダメな母親ではない」ことに気づいて
● 「上の子かわいくない症候群」の克服マニュアル
● 「上の子がかわいそう」だとあえて感じてみる
● 上の子にしかできない役割を与えて同志として接する