子どもたちが大人になる頃、雇用はますます流動的になり、海外の優秀な人材との競争が激化することも予想されます。そんな時代に必要となるのは、自分の好きなことを見つけて前向きに働き、稼いだお金を賢く適切に使っていく力。実は、子ども時代からお金について学ぶことで、生きる上で必要となるさまざまな能力を養うことができるといいます。お金が苦手な親でも今日からできる、未来を生き抜く力を養うためのマネー教育を紹介します。

小遣いはいつから、いくらから?

 未就学児のときはお小遣いを渡していなかった家庭でも、子どもが小学校に上がると、お小遣いを渡すケースが多くなります。「子どもに小遣いを渡すのはいつから? いくらから? という質問は、親から最もよく受ける相談の1つです」と、学校やPTA向けのマネー講座を手掛けるFPの竹谷希美子さんは話します。

 「多くの家庭で、小遣い制を始めるきっかけとなるのは、子どもの小学校入学です。金額については各家庭によりますが、1つの考え方として、『これまで親が出していた費目のうち、一部を子どもに任せる』という発想があります。例えば、おやつ代として月500円程度をこれまで親が支払っていたのなら、その分を子どもに渡して、これからは自分の判断でおやつを買ってもらう。小学校入学は子どもが自立に向かうタイミングなので、この機会に、お金についてもある程度、本人に任せてみるのです」(竹谷さん)

 子どもにお小遣いを渡す際に気をつけたいのは「お金のルール」をきちんと教えること。竹谷さんはお小遣いの管理方法を自身の子どもたちに教えただけでなく、子どもの「ルール違反」にも、厳正に対処したそう。また、横浜国立大学名誉教授の西村隆男さんは、家事の対価などとして子どもに小遣いを渡す際の、「契約」について提案します。次のページから詳しく紹介していきます。