- (1)受験目的ではない「学び」を高学年で身に付ける選択
- (2)中学受験の代わりに「英語を武器にする」選択肢
- (3)高学年から英語を勉強するなら思考力伸ばす学び方を ←今回はココ
- (4)気がかりは中学受験組との差 高校受験用塾で何を得る?
- (5)宝槻泰伸 「わが子を高学歴に」の気持ちは成仏させた
「中学受験をしない選択肢」として「別の学び」を考えたとき、頭に浮かぶものの1つは「英語」でしょう。本特集【英語編】の後編では、英語塾エベレスト代表の齋藤孝夫さんに、高学年から本格的に英語を学ぶ選択肢について、アドバイスを伺いました。
「英語に限りませんが、何かを学ぶのであれば、生徒一人ひとりの時間を有効活用するような学びが良いと私は考えています。英語に関しては、4技能のスキルの学びだけでなく、さらに思考力を伸ばす取り組みが必要だと感じています」と齋藤さん。具体的に聞いていきましょう。
投資対効果を考える
「まず、本特集のテーマに関して私がお伝えしたいのは、中学受験を選択するとして、『それにより、何を得られるか、合格後の先に何があるか』までしっかり親子で考える必要があるのではないか、ということです。でなければ、そこに費やした時間が無駄になってしまうかもしれません。それはトップ校に合格しながらもその後親子関係が崩れ、幸せでない時間を過ごしている親子を何組も見てきたから」と齋藤さんは言います。
栃木県の公立の小中高から、米国の大学に進学した齋藤さんは、日本の中高で6年間もかけて学んだ文法と読解中心の受験英語が現地で役に立たなかった体験をして、がく然とした、と言います。さらに、社会人になって、外資系企業でも、英語での伝達力や議論する力の弱さを実感した苦い経験を原動力に2015年、英語塾エベレストを創立しました。
「自分が学校で英語を学んだ時代から約30年がたち、教科書はアップグレードされました。今や公立の小学校でも、外国語(英語)の授業でコミュニケーションに取り組み、ALT(外国語指導助手)の先生もいますが、先生1人に対して大勢の生徒がいる状況では、結局講義中心の受け身の授業になり、知識をダウンロードするスタイルの英語学習となっています。自らの頭で考えてアウトプットして初めて話せるという体験ができるので、受け身のスタイルではコミュニケーション能力は培えません。
よって、今の小中学校での英語の時間のみでは、やはり限界があり不十分と感じています。時間はお金では買えません。そして、選択肢を検討する上で重要なのは『投資対効果』を考えること。何を学ぶにせよ、お子さんが興味のないことや、あまりにも学術的すぎる座学一辺倒の内容に時間を投資するのは、人間性を養う上でももったいないと感じてしまいます。本人の興味のあることをどんどん深堀りさせてほしいと考えています」
(1)学ぶ目的を明確化する
(2)英語を教科ではなく「ツール」と捉える
(3)できる限り日常の習慣として英語を使って「必要なもの」と脳に学ばせる
