ここ数年、転職の世界は売り手市場が続いてきましたが、時間の制約があるワーママが、望むような転職を成功させるためには、どうすればいいのでしょうか。「強みをどう売り込む?」「年収やキャリアダウンにならないための面接術とは?」「管理職人材として選ばれるには?」など、転職を視野に入れているすべてのワーママが知っておくべきことを総力特集。進化系転職テクもご紹介します。

 ワーママの転職市場を分析し、取るべきアクション、PR術や求められるスキルなどを紹介してきた本特集。第5回では、ワーママによく見られる3つのタイプの転職失敗例を、大学のMBA講座にも取り入れられているエニアグラム心理学を用いて多くの企業の人材開発に携わっている髭 彰(ひげ あきら)さんが分析。ワーママ転職成功に向けてのアドバイスをもらいました。

面接で緊張すると弱みが出て、伝えるべき強みが出せなくなる

 今回取り上げるワーママ転職の失敗例は次の3つのタイプです。

Aさん ●40歳。国内メーカーで商品開発を担当。
面接で今の会社に対する不満をぶちまけてしまいました。気づくと面接官は顔をしかめていて……。

Bさん ●38歳。大手商社で経理を担当。
緊張して頭が真っ白になり、出張や残業も「できる」と言ってしまいました。本当は無理なのですが……。

Cさん ●40歳。国内大手メーカーの営業職
志望理由や自己PRを考えるのが苦手で失敗続き。自分でも話していることが「浅い」と思います。

 それぞれ、仕事に打ち込みたい気持ちはあるものの、もともとの性格の良い面を発揮できず、面接がうまくいかなかった例です。髭さんは「人には誰もに潜在心理があります。潜在心理はその人の価値観や弱み・強みの原点となるもの。面接という緊張する場では、ストレスがかかって、その人の弱みが出やすくなってしまいます」と話します。

 「自分の無意識の思い込み・弱み・動機を知っておけば、面接で本来の強みを発揮することができます。強みには、普段から自分が認識し、武器として活用している強みのほかに、実は、今後の成長の原動力となる隠れた強みもあります。どちらの強みを出すかによっても、面接官に与える印象が変わってくるので、両方の強みを知って対策していく必要があります」

 そこで髭さんに、3人のケースを通して、失敗理由の分析と面接対策のアドバイスをしてもらいました。次ページから具体的に見ていきましょう。

写真はイメージです
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