子育てにおいてスマートフォンやタブレット、ゲームを避けては通れない時代になりました。子どもが受け身で動画を見たり、ゲームをしたりすることに、モヤモヤを抱える親は少なくないでしょう。小学校ではタブレットなどの端末の1人1台貸与も始まります。SNSやゲームをただ恐れるのではなく、子どもの主体的な関わりをサポートし、成長や学びに役立てることのできる、ポジティブ活用法を紹介します。

 ゲームとの付き合い方に悩む親は少なくありません。ゲームを学びに生かすためのヒントを紹介した前編に続き、東京工業大学・科学技術創成研究院准教授の長谷川晶一さんに聞きます。

 小3と年少の男子2人のパパで、子育てにおいてゲームをポジティブに活用しているという長谷川さん。現在はバーチャルリアリティー(VR)の研究をしています。小学生時代は、ゲームしかできない機器だからという理由でファミコンを買ってもらえず、父親の仕事の関係で家にあったパソコンでゲームをしていました。中学入学後、ファミコンを買ってもらい、ドラゴンクエストなどのRPG(ロールプレイングゲーム)に夢中に。ゲーム好きが高じて自分でも作りたいと思うようになり、中高生の頃からプログラミングをして簡単なゲームも作っていたと言います。

 ゲームを子どもの学びに生かすために、長谷川さんが大切にしている姿勢や注意している点などを詳しく聞きました。

ゲームを学びにつなげるために、長谷川家が大事にしている4つのポイント (1)ゲームは遊びながら学べるものと親が認識する (2)子どもの興味に合ったテーマのゲームを親が提案 (3)ゲームの内容について普段から親子でよく話す(後編で解説) (4)「習得すると飽きるのが遊び」飽きなくなったら要注意(後編で解説)

「どんなゲームか」「面白いところ」など対話

 ゲームの内容について普段から親子でたくさん話をする、というのは、長谷川さんが心掛けている大きなポイントの一つだといいます。

ポイント(3)
ゲームの内容について普段から親子でよく話す

 「最近のゲームは絵がきれいで、隣で見ているだけでも内容が分かるので、ときには一緒に見るのもいいでしょう。子どもがしているのがどんなゲームなのか、どういうところが面白いのか、などを普段から聞くようにしています」。親子で話をすることで、そのゲームのどこに面白さや魅力を感じているのか、子ども自身の発見や気づきを促す効果がある、と長谷川さんは言います。

 対話を大事にしている理由はもう一つあります。「日常的にゲームの内容について会話をしていると、子どもはつまらなかったところも話してくれるようになるからです」

 なぜそれが大事なのでしょうか。

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