新型コロナに揺れた2020年。弱者になりやすい子育て世帯への支援は、自治体の本気度が問われる部分です。そこで今回の調査では、保育園・学童・病児保育の充実度に加えて、コロナ下で妊娠・出産する妊産婦へのサポート、ひとり親への支援、ICT教育、リモートワーク支援なども評価項目に加え、ウィズコロナ時代の「共働き子育てしやすい街」をランキングしました。

共働き子育てしやすい街ランキング2020

コロナ下で「1人1台端末」の配備が前倒しに

 昨年11月、奈良市の市立小学校のある児童は、新型コロナウイルス陽性者の濃厚接触者と確認され、2週間の自宅待機に。この児童は、1人1台ずつ貸与されたタブレット端末を自宅のWi-Fi(無線LAN)につなぎ、教室にいる先生の前に置かれた端末のビデオ会議アプリを通して、ほかの児童と同じように授業に参加し、発言することもできたといいます。

 奈良市は、全市立小中学校へのタブレット端末の整備を2020年9月29日までに完了しました。「プリントを自宅まで届けたり、後から補習したりする必要がなく、先生の負担も減らせます。今後、感染拡大による臨時休校(休業)が再びあれば、双方向のライブ授業ができる環境は整っています」(奈良市教育委員会事務局学校教育課)

 昨年春の「コロナ休校」で、多くの子どもたちの教育の機会が失われました。文部科学省は小中学生に1人1台の端末を配備するGIGAスクール構想について、端末配備の目標時期を2023年度から2020年度中に前倒し。自治体や教育現場は前例のないミッションの迅速な達成を求められています。昨年実施した日経DUALと日本経済新聞社による共同調査(回答数は151自治体)で、1人1台端末の配備が完了する予定時期について自治体に質問したところ、「2020年8月末までに配備済み」と回答して他の自治体より早かったのは、2017年から配備している東京・渋谷区でした。

 導入にあたっての課題を聞いた質問には、短期間での導入を迫られた担当者の苦悩や本音が垣間見え、下記のような悩みが浮かび上がりました。

「1人1台」の配備前倒し 自治体の5つの悩み  (1) 全国一斉に発注! 端末は足りる? 短期間での導入実現が難しい (2) お金はどうする 課題はランニングコスト (3) 人材が足りない! 問い合わせ対応や研修は誰が? (4) 先生は使いこなせる? 指導力に差が出ないのか (5) 子どもたちの使用ルール 「動画三昧」にならない?

 昨年9月末までに全市立小中学校、特別支援学校に配備完了し、同11月に市内で休校となった学校で「オンライン授業」(オンライン学習支援活動)を実施した岐阜市は、「1人1台端末の配備を進めながら、新たな課題に対して1件ずつ対応し、その対応情報を全学校で共有しているような状況です」(岐阜市教育委員会岐阜市教育研究所)と説明します。

 自治体が抱える課題を知ることは、「いつ配備されるのか」「先生や子どもは使いこなせるのか」「どんな活用ルールになるのか」といった親の疑問を解く手がかりにもなります。次のページから、調査結果の詳細と「先進」自治体への取材で浮かび上がってきた主な課題をリポートします(前編では悩み1について、悩み2~5については後編で紹介)。

次ページから読める内容

  • 「2020年度中に配備完了予定」と答えた自治体は約9割
  • 体育のマット運動の実技などさまざまな学びに活用
  • BYODによる前倒し導入をした自治体も
  • 全校で校内ネットワークや充電保管庫の整備も必要

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