「パパ、遊んで~」。そんな言葉に応えたいと思いつつ、ネタ切れで……というパパ。そんなパパのために、子どもに鉄板でウケる遊びを紹介する特集です。体の成長にも効くエクササイズ的な公園遊び、なりきり遊びもできて「2度楽しい」工作、理科力が芽生える「ふしぎ遊び」、未就学児でも遊べるボードゲームなどについて、専門家らにノウハウをたっぷり教えてもらいました。仕事モードから切り替えて、一緒に思い切り遊べば、子どもたちのパパ大好きの気持ちが、もっともっと大きくなるはず。さらに、パパ人気が高まればママも喜ぶこと間違いなしです。

英国には「遊び」に関わる大人のための資格がある?

 「店頭でよく見る、ソフトクリームの巨大な模型看板。自分の子どもが、地面に座り込んで、そのコーンの部分をなめるまねをしたとします。さあ、どうですか?」

 そう問いかけるのは、一般社団法人TOKYO PLAY代表理事の嶋村仁志さん。「『医学』『教育』『生活』『遊び』の4つのレンズのうち、医学のレンズで見たら不衛生ということでNGですよね。生活のレンズで見ても『お店の人やほかのお客さんに迷惑だからだめよ』『ちょっとみっともないからやめて』などと焦って止める場面でしょう。でもこれを例えば『遊び』のレンズで見てみると仮定すると、どうでしょう。『あ、面白い、でもなめるとこはそこじゃないだろー』と笑顔で突っ込む場面ですよね」

 嶋村さんは遊びの専門家であり、4歳と9歳の子どもを育てるパパでもあります。「私もそうですが、未就学児を育てるパパやママは普段、生活と遊び、それから多少の医学のレンズを持って生活していると思います。年齢が上がるにつれて、教育のレンズも少しずつ増えていくでしょう。これらのレンズの配分は状況によって変化します。例えば、2歳のわが子が歯みがきをしない、時間は夜20時台。そうなってくると、生活のレンズと医学のレンズで合計95%ぐらいになり、残りの5%の遊びのレンズで『ほら、アンパンマンもみがいているよー』などなんとかちょっと遊びの要素を乗せて歯みがきをさせる状況になります」

 この「遊び」のレンズについて整理したのが「プレイワーク」だと嶋村さんは説明します。「プレイワークとは、子どもの遊びに対する大人の役割についての理論と実践の体系で、英国では大学院課程まであり、プレイワーカーは保育士などと並ぶ国家資格(NVQ)の一環として段階別に資格が確立されています」

 嶋村さんは大学卒業後、英国のリーズ・メトロポリタン大学社会健康学部の「プレイワーク学科」に留学。帰国後は日本のプレーパークの先駆的存在である世田谷区の羽根木プレーパークや川崎市子ども夢パークなどで常勤のプレイワーカーとして働き、その後、フリーランスとして国内外のプレーパークの立ち上げに参加するなど「0~18歳までの多くの子どもたちとの『遊び』にひたすら関わってきました」。

 そんな嶋村さんにパパと未就学児の子どもが「真に遊ぶ」ためのヒントを次のページから教えてもらいます。

遊びについてのよくある5つの疑問 (1)なぜ子どもはそれほど遊びたがる? (2)遊びってそんなに大切? (3)でもエンドレスに遊ぶわけにはいかない…… (4)「危ない!」とつい言ってしまう (5)どう関われば正解なのか分からない