病院で女性ホルモンを補う治療を受けるのも手
セルフケアではどうにも疲労感がとれなかった、婦人科検診で特に病気がなかった……。そんな場合は、日常生活で感じている具体的な症状を医師に相談してみましょう。更年期障害であると診断されたら、病院では女性ホルモンを補う治療を受けることができます。
「40代半ばまではピルを服用し、閉経が近づいてきて来た段階でHRT(ホルモン補充療法)に切り替えるというパターンが多いですね。月経がこれまで28日周期だったものが25日になる、23日になるというように短くなってきたら、閉経のサインですが、自己判断は禁物です。主治医と相談しながらベストな治療を選択し、継続していくことが更年期障害と上手に付き合っていくコツです」
女性ホルモンを補充する治療には、次のような選択肢があります。
・低用量ピルの服用
排卵抑制作用があり、国内では避妊薬というイメージが強いピルですが、実は月経前症候(PMS)や月経困難症といった月経に伴う諸症状や更年期症状の緩和でも処方されています。
・HRT(ホルモン補充療法)
年齢とともに減少し、不足していくエストロゲンを補い、更年期障害の改善を図る治療法です。足りないものを直接的に補う方法なので、症状に対して高い効果が期待できます。現在、処方薬として飲み薬、貼り薬、塗り薬のバリエーションがあります。
「疲れたな」が続いたら、自分のケアも大切に
疲労感は、体が大きく変わる前段階にあることに気づかせてくれているのです。
「30代、40代の働くママが疲れを感じる瞬間は、1日の中だけでもかなりたくさんあるはずです。どうしても目の前のストレスに目が行ってしまいますが、実はホルモンバランスが乱れ始めている時期だということを忘れないでほしいと思います。疲れくらいでと我慢せず、病院へ行って診てもらって!という体からのメッセージだと思って、ぜひ自分をいたわってあげてくださいね」
取材・文/藤巻 史 イメージ写真/PIXTA