共働きで稼いでいるはずのに、お金が貯まらないのは一体なぜ? 習い事、教育費、住宅ローン…共働きを維持するためのベビーシッター代や家事代行、外食費にもお金がかかります。まず減らすべきは一体どこで、どうしたら、効率よくお金を貯めていけるのでしょうか。妊娠・産後期から未就学児、小学生家庭までの家庭に向け、お金のプロが具体的に指南します!

私立中高や大学費用は意識しても、習い事代までは目を向けにくい

 「共働きで稼いでいるはずなのに、なぜお金が貯まらないの?」と悩む人向けに、ダブルインカムならではの家計の落とし穴や、お金が貯まる体質になるためのマインドチェンジの方法、支出のめりはりの付け方などを指南してきた本特集。悩める声に耳を傾けると、多くの家庭で共通していたのが、「教育費は聖域。ここは削るわけにいかないし、削りたくない」ということでした。

 教育費といっても、1年間に3桁の高額支出が発生する私立中高一貫校の学費や大学費用などについては、きちんと意識している人も多いでしょう。しかし、習い事となると、月の支払いが1万円台だったりそれ以下だったりと、比較的「小粒」のものが多いため、「これくらいなら払える」と、よく吟味することなく、あれもこれもとピックアップしているうちに、家計を圧迫するほどの存在になるケースは少なくないようです。

 特に小学校に上がると、これまでやっていた水泳やピアノといった運動能力や感性を育てる習い事に加えて、学習塾や民間学童(アフタースクール)もプラスされたりと、教育費は増えていく一方。子どもが二人以上いる家庭の場合は、きょうだいで同じことをやりたがる場合もあるため、コストが2倍になり得ることを覚悟しておく必要があります。

 実は習い事や民間学童などの月謝は、地域差という要素があり、住む場所によってトータルコストが大きく変わる現実があります。「子どもの可能性を広げるために、いろいろな経験をさせてあげたい。習い事の数は減らしたくない」という場合、これから引っ越しを検討している家庭なら、住む場所を決める材料として、習い事の地域相場を加えるのも一つの方法です。

 引っ越しまでしないとしても、自分たちが払っている習い事の月謝が他の地域に比べて高めなのか安めなのか相場を踏まえておけば、「この地域は総じて習い事代が割高だから、特にこだわりのない習い事はやめよう」といった踏ん切りがつきやすく、家計をスリム化させる上でも役立つはずです。

 今回、首都圏の7地域(項目によって例外あり)を調査。主要な習い事などの価格を調べてみると、同じ月3万円という予算で4つの習い事ができる地域と2つしかできない地域があるなど地域差が見られました。次ページ以降で詳しく紹介します。

調査した項目:
【習い事】水泳、プログラミング、ピアノ、バレエ
【その他】民間学童、認可保育園の保育料

調査した自治体:
東京都港区、世田谷区、江東区、北区、千葉県松戸市、埼玉県さいたま市、神奈川県横浜市