自分のお金の使い道を把握すれば行動も変えられる

 アンケートでほかに「貯められない原因」として多く挙がっていたのは「レジャー費」や「外食費」といった、「したい」「行きたい」「欲しい」といった気持ちに左右される費用です。

 これに対し花輪さんは「まず自分が年間にどこでいくら使っているのかを把握することが大事」だと言います。

 「旅行好きな人は、年に何度も旅行に行くなど、好きなものにはついお金を使ってしまいますよね。特に1000万円世帯の場合はその都度の支出は払えてしまうので、気づくと年間かなりの額をレジャーに費やしているということもあるかもしれません。まずは何にいくら使っているのかを知ることで初めて、自分をコントロールすることが可能になります」

【すべきこと】
エクセルや家計管理ソフトなどで、旅行、外食、買い物などに年間でいくら使っているのかを把握
【できるようになること】
・旅行:頻度を減らす、時期をズラして安い時期に行く、海外旅行ではなく国内旅行にする、などコントロールが可能に
・買い物:自分がどこでお金を使う傾向が高いのかを知ることで、「このデパートには近づかないようにしよう」など、アクションを起こすことが可能に

処分の仕方を工夫すればマインドが変わる

 花輪さんによると、我慢や節約ばかりに気をとられるのではなく、処分の仕方を工夫する視点も大事だそう。

 「たとえば初めての子どもが生まれるとなると、高くてもちょっと良い服やベビーグッズを買いたくなる気持ちが生じますよね。ここを節約と思って我慢するのはストレスだし、せっかく働いているのならばお金をかけたいところ。ただ、『せっかくだから』という気持ちを優先させる習慣をつけてしまうと、先々子どもにかかる費用を『聖域』と捉えることになってしまう危険性もあります」

 そのために必要なのは、「高いものを買っている」と自覚して購入することと、処分する際の工夫。

 「お金は当然使えばなくなるので、『ここに使ったからお金がない』と客観的に理解していることは基本です。それと、最近は日本でもメルカリなどのフリマアプリが普及して処分品を売ることが広がりつつありますね。売ることを通じて、高い物への『投資』が気持ちを満たす以上に、どのようなリターンを産みだせるのか、ということを客観的に理解しておくと、必ずしも節約して安いものを買うことだけが正解ではなくなるはず。使い勝手はもちろん、最終的に手放す際に戻ってくるお金が発生するかなどを総合的に判断した上で、賢く買い物ができるようになれば、家計もぐっと良い方向に変わっていくと思いますよ」

 次回は、実際に家計管理に悩むDUAL読者の家計相談です。

取材・文/日経DUAL編集部 須賀華子



花輪 陽子(はなわ ようこ)
ファイナンシャルプランナー
花輪 陽子(はなわ ようこ) 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年から生活の拠点をシンガポールに移し、東京とシンガポールでセミナー講師など幅広い活動を行う。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書) 、『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。花輪陽子オフィシャルサイト 海外に住んでいる日本人のお金に関する悩みを解消するサイトも運営。まぐまぐ「花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編」も。