選ぶのは住宅?それとも教育?

 「一点張り支出」という観点からまず考えるべきなのが、人生の中でも大きな出費となる住宅費と教育費。「どちらも一度の決断がその後も家計を大きく左右する固定費です。『年収1000万世帯』が選べるのはどちらか一つとなります」。まずは双方の詳細について見ていきましょう。

【住宅費】
一般的に住宅ローンとして借り入れていいのは年収の5倍まで。年収1000万世帯の場合は5000万円までが借り入れOKな金額。5000万円で35年ローンを組んだ場合、現在は変動金利だと1%台なら、月の支払いが14万円。それに管理費や修繕積立金などを加えると、月の住宅費は約16万、年間では約200万円を住居費に充てる計算に。
【教育費】
私立中学は平均して一年間に100万円前後の学費がかかる。さらに、私立に進学したからといって、塾や習い事は続くため、私立に通う場合は子ども1人あたり月に15万ほどの支出が生じる。

 つまり1000万円世帯が5000万円のローンを組んで高額な住宅を購入し、そのローンを返しながら、さらに私立中学の学費も払うとなると、月の手取り額50万円のうち6割相当の30万円が住宅と学費という「削減不可能な固定費」となることに。

 一方で「一点張り支出」として家か私立中学かどちらかを選んだ場合は、「削減不可能な固定費」が約15万円と3割程度におさめることができます。この場合、例えば他の削減可能な固定費を減らしていけば、残り35万円の中で生活を回してくことが可能です。

 ちなみに、削減可能な固定費の代表例が、保険やマイカーだそう。

 「医療保険に関しては、日本は公的制度が充実しているので必要最低限で十分です。さらに、都心部であれば、維持費のかかるマイカーがなくても、タクシーやカーシェアリングで生活ができるはず。固定費を浮かせてメリハリをつけることで、貯まる家計に変わりますよ」

住宅購入で大事なのは投資目線

 一点張り支出で住宅を選ぶ場合は、投資目線が大事だと花輪さん。

 「老後は子育て期ほど広い家が必要なくなることを考えても、住宅はライフステージごとに売却して住み替えていくのが賢い方法。そのためには、広告費などの経費が積まれた割高な新築にこだわるのではなく、築浅の中古物件を探すのがおススメです。利便性や学区が良いなど、値が落ちにくいエリアに上手に購入すれば、将来売却する際に含み益が出せる可能性もあります」

 一方、私立中学を選ぶ場合は、中1から大学卒業までの最低10年間、年間100万円以上の高額な教育費が固定費として続くことへの覚悟も必要。

 「中学から私立に行かせるには、『1人っ子である』『祖父母と同居するなどして他の固定費を徹底して削ることができる』『中学に入るまでに一人あたり1000万円をためている』『祖父母が学費を援助してくれる』など、貯金を取り崩すことなく、学費が出せる条件が整っている必要があります。中学から私立に行かせるかどうかは慎重に検討してください」

ポイント
・家を購入するなら投資目線で、値が落ちにくいエリアの築浅の中古物件を
・私立中学に通わせる場合、年間100万円の固定費×10年の支出が可能かよく考える