親が何度も言わなくても、自分で時間割を確認して学校の準備をする。テストが戻ってきたら、見直して間違えたところを復習するなどして、勉強のサイクルを自分で回している。そんな、「自分で考えてやることを決め、行動していける自走力」をわが子に求める親が増えています。そこには、仕事に家事に忙しい共働き家庭の事情があるとともに、社会に出たときに「自走力」こそが幸せをつかむカギになることを実感している、働く親ならではの気づきもあるようです。そこで、保育園~高学年の子どもの自走力をどのように育てていけばよいか、教育の専門家や、自走力で人生を切り開いてきた当事者、自走力を意識した子育てを実践中の働く親に聞いていきます。

子どもの自走をはばむのは親?

 「宿題やったの?」「ちゃんと塾の準備はしてあるの?」などと毎日続く、子どもへの声掛け。いったい何歳になったら親に言われなくても子どもが自分から進んで勉強をするようになるのでしょうか。親としては、どうせなら、楽しく前向きに学んでほしいところです。

 学年で成績最下位だった「ビリギャル」でありながら、高校2年生の夏から1年半で、教育者で坪田塾塾長の坪田信貴さんのサポートのもと、自発的に猛勉強を開始、偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した経験を持つ小林さやかさんは、「誰からも何のサポートもされなくても、子どもが1人で前向きに勉強する、みたいな、そんな都合のいい話はないですよね」と笑います。

 「でも、自分自身の経験から『ただ1つの条件』を満たせば、子どもが自ら進んで学び始めると思います。そして、その条件を満たすためには、親や周囲の大人からの、あるサポートが不可欠です。それをせずに、子どもの自走をはばみ、将来の可能性をつぶしているのは、ほかならぬママやパパかもしれませんよ」

 子どもの自走を願う親が、それをはばみ、可能性をつぶしているかもしれない、とは、どういうことでしょうか。詳しく聞いていきましょう。

詳しくチェック!
・子どもが自走するのに必要という「ただ1つの条件」と、それを満たすために不可欠な、親や周囲の大人からのサポートとは?
・自ら中学受験を選び、合格した過去も。受験勉強の原動力になった意外な理由
・高校時点で学力が「小学生レベル」に落ちてしまった小林さんが、自分から慶応を目指し猛勉強を再開したきっかけは
・「やれば必ず伸びる」という自信を育んだ、母親からの声掛け
・自走力に「地頭」は関係ない