新型コロナの影響でリモートワークが進み、ライフスタイルが大きく変わった人は多いでしょう。それに伴い、夫婦関係にも変化があったかもしれません。家にいる時間が長くなったことで夫婦仲が良くなった家庭もあれば、そうでない家庭も。家事育児がどちらかに偏った状況をどうするか、「コロナ離婚」の危機を迎えた夫婦がどのように踏みとどまったかなど、夫婦間のバランスを前向きに考えていくためのヒントを紹介します。

 新型コロナウイルスの感染拡大による生活の変化は、夫婦関係にどのような影響をもたらしたのでしょうか。日経DUALは夫婦のバランスに関するアンケート調査を実施しました(アンケート期間は2020年10月14日~30日。日経DUALのメルマガ会員のうち99人が回答、内訳は女性91人、男性8人)。

 コロナの影響で夫婦仲がどうなったかを聞いたところ、「前より良くなった」と答えた人は19.2%「前より悪くなった」と答えた人は8.1%でした。3割の人が、夫婦のバランスに何かしらの変化を感じたようです。

夫婦仲が良くなった、悪くなった、理由は?

 アンケートに寄せられた自由回答から、変化の理由の一端が見えてきました。夫婦仲が良くなったケースでは、夫がテレワークで増えた時間を家事や育児時間にあてているなどの回答が見られました。

●夫婦関係が良くなった●

「夫がフルリモート勤務で常に在宅しているため、以前に比べて家事育児をしてくれるようになり、私の負担が減った。また夫婦の会話も増え、小さな不満も伝えやすくなった。総じて私自身に余裕ができ、イライラすることが減った」(女性・36歳、子どもは0歳、2歳、年長)

「夫が週2回、テレワークを継続している。テレワークの日は家族みんなで夕飯を食べることができ、子どもが喜んでいる。また、テレワークの日は、保育園の送り迎えを頼むことができ、私も少し残業することができ、仕事を翌週に持ちこすことが少なくなった」(女性・39歳、子どもは年長)

 一方、夫婦仲が悪くなったケースでは、家事育児の分担が偏っているなどとする回答が見られました。

●夫婦関係が悪くなった●

「夫が全面テレワークになり、家事の分担を提案したところ断られた。今まで話を聞いて共感してくれていたため、仕事で不在だからできないと思っていたことが、実は価値観の違いだったのではと思い始め、どうせ言っても仕方ないと、コミュニケーションが減った」(女性・45歳、子どもは中学生)

「在宅勤務(私)のほうが楽だと思われるのか、夫の家事の量が減っている」(女性・42歳、子どもは2歳、年中)

「コロナで在宅勤務が増えたが、全く食事を作らない夫。買い物も非協力的なので、私の負担が大きく増えている。また19時以降の打ち合わせなど、在宅なのに家族の時間に会議を入れたりと家族への配慮が足りない。隙間時間に洗い物や洗濯などは手伝うようになったが、不満のほうが大きい…」(女性・39歳、子どもは小3、小6)

 ワークスタイルの変化は、夫婦仲にも影響を与えたことがうかがえます。