家事育児の夫婦バランス、どう変わった?

 家事では「以前から平等で、特に変化がない」「夫が積極的にやるようになった」といった家庭もあれば、「どちらかに負担がかかるようになった」といった家庭もありました。

●家事●

「特に変化はありません。 掃除担当、皿洗いの夫は、以前から『見えない家事』も含めてやってくれるので満足しています。 また、コロナとは関係ないですが、私が妊娠したため、私の担当だった料理に関してもつわりでつらいときなどやってくれて感謝しています」(女性・38歳、子どもは2歳)

「テレワークに切り替わったことで、通勤時間がゼロになり、家にいる時間が1日2時間程度増えた。皿洗いや洗濯を私がして、その分、妻は子どもの習い事や料理に時間を多く使えるようになった。近ごろでは、妻に気持ちよく料理に着手してもらえるよう、皿洗いの後は台所をピカピカにして終わるようにしているが、その効果のせいか、ますます料理が充実しているようだ。総合的に夫婦仲は良くなったと感じている」(男性・50歳、子どもは小4)

「あまり変わっておらず、妻(自分)6:夫4程度。 私が残業の時は夫に夕食を作ってほしいが、料理ができないのでコンビニ弁当か外食になってしまうのが不満」(女性・30歳、子どもは小2)

「妻(自分)の負担が増え、夫2:妻8→夫1:妻9に。外食が激減したこと、子が中学生になり弁当作りが加わったこと、コロナ対策で以前より掃除洗濯を頻繁に行うようになったことから。自分だけ不定期に在宅勤務が続いているが、昼食を10分で済ませて昼休みに家事をしている。不満だが、話し合う気持ちも失せた」(女性・49歳、子どもは中学生)

「テレワークしている夫(自分)に負担が偏った。夕飯作り(洗い物除く)のみ妻が行っており、その他の家事は名もなき家事や家計管理を含め、すべて自分がしている。 大変な夕飯作りは妻が担っているということを差し引いても、トータルの時間で考えると明らかに自分のほうが家事負担が多い。不満」(男性・33歳、子どもは1歳、年少)

「コロナ前は妻(自分)9:夫1だったのが、コロナ以降は妻9.5:夫0.5。コロナ前よりさらに私の家事分担は増えた。怒りを通り越して、やってやるもんかという気持ちになっている」(女性・44歳、子どもは小1、小5)

 育児については、夫の保育園のお迎えが増えた、妻の夜のワンオペ育児が軽減されたといった声が見られました。

●育児●

「保育園の送迎を夫がしてくれる割合が増えた。以前は出張や接待が多くて平日夜は2~3日はおらず、ワンオペの日が多かった」(女性・41歳、子どもは年少)

「コロナ前から保育園の送りは毎日、夫の担当でしたが、テレワークの日は迎えもお願いしています。今では夫のほうが保育園によく行きます」(女性・39歳、子どもは年少)

「以前は、平日の育児は妻が担当していましたが、緊急事態宣言後も妻は出勤しなければいけない状況だったので、平日昼間の育児も私が担当することになりました。昼間に在宅しているほうが担当するのが自然だと思っているので不満は感じていません」(男性・43歳、子どもは小1、小6)

「出社しているときも帰宅時間がコンスタントに早くなったので子どもとお風呂に入ったり、夜絵本を読んだりするなど平日に子どもと関わる時間が増えた。私はあまり在宅でできない職種なため、夫が在宅勤務をすることで子どもが帰宅時に誰かいる安心感がありとても助かる。また、夫が在宅勤務のときは習い事の送迎も余裕があるとしてくれるようになった。全体的に夫の関わりが増えて満足」 (女性・42歳、子どもは小2、小4)

「私は出社中心で、在宅時間の長い夫のほうに下の子が懐いているくらい、夫の育児時間が増えている」(女性・34歳、子どもは1歳、年中)

「保育園の送迎にほとんど関わったことがなかった夫が、在宅期間や時短勤務時にお迎えに行けるようになり、保育園で子どもが喜ぶ姿がうれしかったよう。子への愛情を再確認できたと思う」(女性・39歳、子どもは2歳、小4)

「夫は出張、飲み会などがなくなった分、平日の育児時間が増えたと思います。もともと子どものお風呂、習い事のお迎えなどはやってくれていましたが、その時よりも楽になりました」(女性・37歳、子どもは2歳、年中、小2)

家計は食費が増加、勤務先の業績悪化の影響も

 夫婦間の家計のバランスについては、ウィズコロナの生活で支出の内訳が変わり、その結果、負担に変化があったなどの回答が見られました。

●家計●

「家で三食、トイレも全部家で、なので消耗品係の私の負担額が増えているが、その分よそでお金を使わないのであまり変わらない」(女性・46歳、子どもは小3、小4)

「食費がとてもかかるようになり、食費は私が出しているのでかなり支出が増えた。また、マスクなど衛生用品の支出も大きく、不満」(女性・46歳、子どもは小4、中学生)

「コロナ以前は夫4:妻(自分)6→ステイホーム中は夫2:妻8→現在は夫3:妻7。 水道光熱費・食費・通信費(夫携帯除く)を私が担当していたため、それらが増えたステイホーム中は赤字に。夫が担当の住宅ローンは完済していたので、水道光熱費を夫の分担として少し改善。まだバランスは悪いが、夫のみ在宅勤務がなくなり昼食・夕食も別になったので、家庭分として要求しづらい」(女性・49歳、子どもは中学生)

「夫がコロナを機に会社都合での転職を余儀なくされ、給与が安定するまで妻の家計負担を増やしました」(女性・33歳、子どもは1歳、年中)

「夫は変わりませんが、妻のほうは会社の業績が悪化して賞与が下がり、打撃を受けています。その分は妻が副業して少しでもカバーしたいと考えています」(女性・41歳、子どもは小2)

 総合的に夫婦のバランスがどう変わったかを自由回答で聞いたところ、多くの人は「変わらない」という回答でした。「家事育児の分担も家計の分担も、結婚当初からほとんど変わらずにここまで続けてきた。私の仕事の都合で、どうしても家事育児がいつも通りできないときには、夫が家事育児を自然にサポートする体制ができており、うまくバランスが取れている」(女性・47歳、子どもは小5、中学生)

 バランスが良くなったという回答もありました。「これまでほぼ私がワンオペで来たので、二人ともテレワークというのは大きな変化です。気を使いながら関係を維持していきたいと思います」(女性・47歳、子どもは年中、小2)、「夫は以前、長時間働いている自分のほうが私よりも偉いような言動が端々に見られたが、テレワークを始めてからは、毎日電車で出勤している私をねぎらう気持ちがあるようで平等になったように感じる」 (女性・39歳、子どもは年長、小3)

 一方で、コロナ離婚を考えたという人もいました。アンケートでは「コロナ以降、離婚を考えたことがある」と回答した人は13.1%。そのうち「離婚に向けて準備中」が1.0%、「別居をした」が2.0%でした。コロナ離婚に関しては、本特集の5本目で詳しく紹介します。

 夫婦の形はさまざまで、在り方もルールも「これが正解」というものはありません。ただ、他の夫婦も取り入れている工夫を知れば、より良い関係づくりや軌道修正に役立てることはできるかもしれません。特集2本目では、危機を迎えた夫婦がどのように関係を修復していったのか、3人のパパたちが本音で話した「パパ座談会」をお届けします。

 特集3本目では、コロナ下でワンオペ問題はどう変わったか、改善のために何をすればいいかを専門家が解説。特集4本目では男性目線からの家事育児のノウハウなどを紹介します。ぜひお読みください。

文/日経DUAL編集部 イメージ写真/PIXTA