「働き方改革」で業務の効率化が進み、仕事の多くは、AIやRPAが担うようになります。働く場所も自分で選べるようになり、自由度が増す一方、企業に必要とされるのは専門性に長けた人材です。大手企業が早期退職を募るなど、終身雇用制度は崩壊してきており、誰もが定年まで勤められる時代ではありません。そんな中、子育て世代の共働きが考えるのは「末長く働き続けたい」ということでしょう。会社員として働き続けるか、フリーランスや起業という形で、自分のやりたいことに挑戦し、働き続けるか、その選択に迷う人は多いようです。

そこで、会社員からフリーランス、起業への道を選び、成功している子育て世代にインタビューをして、収入はどのように変わったか、ノウハウはどこで得たか、事業計画はどんなふうに立てた? 事業を大きくできた理由は? 会社員時代にやっておいたほうがよいことは?などを根掘り葉掘り聞きました。さらに、起業や働き方の専門家に、ブルーオーシャンの見つけ方や、会社員でいるうちに身に付けておきたいスキルなどのアドバイスももらいました。

「末長く働く」ための起業・フリーランス

 広報ブランディングコンサルタントとして活躍する志賀祥子さんは、4年前に独立。フリーランスを経てMaVie(マヴィ)を設立した。2歳の女の子のママでもある志賀さんに、フリーランス、起業で成長を続けている秘訣を聞いた。

出産後に柔軟な働き方ができるよう逆算してキャリアを設計

 志賀さんは20代前半から、30歳までには自分のキャリアを確立することを目標に定め、そこから逆算して何をすべきかを考え、行動に移してきたという。新卒で入社した日系銀行の一般職から大手住宅総合会社に転職した際は、「社長の下で働けばビジネス全般について学べるはず」と考え、社長秘書として入社。入社後は「広報の仕事にも興味がある」と発信し続けたことで、広報も兼任できるようになった。

 だが、大企業ならではの年功序列の組織の中で築けるキャリアには限界があると感じた志賀さんは、性別や年齢に関係なくフラットな環境で働けるITベンチャー企業への転職を決意。営業の仕事をする中で、メディアへの露出が販促効果に直結する様子を目の当たりにしたことで、「自分は広報の仕事を極めたい」という思いが明確になった。そして、社長秘書兼広報というポジションで飲食ベンチャー企業に転職する。

 「そのタイミングで結婚したのですが、当時は『結婚したら仕事はセーブするもの』と思い込んでいて、一旦、仕事をセーブした時期があったんです。でも、やっぱり仕事をしたくて、妊娠・出産を経てどう働き続けるかというキャリアプランを考えるように。出産後に柔軟な働き方ができるようにするために、子どもがまだいないDINKSの期間に、『広報のプロとして周囲から必要とされるスキルを身に付ける』『出産後に場所や時間にとらわれずに仕事ができる環境を整備する』ことを目標として、仕事の幅を広げようと決意しました」

志賀祥子さん
志賀祥子さん
複数回の転職を経て、2015年にフリーランスの広報として独立。2017年に長女を出産後、2019年5月に「企業の広報ブランディング支援」と「女性活躍支援」の事業を行うMaVie(マヴィ)を設立

ベンチャー企業で広報のスキルを磨き、28歳で独立

 その決意を胸に、志賀さんは新サービス立ち上げの広報活動を戦略立案から全て担当。名もない企業をゼロからメディアに露出させていく経験をしたことで、この手法は他社でも応用できるという確かな手応えが得られた。その後は上場ベンチャー企業などで広報部門の立ち上げに従事し、部下の育成も含めた組織運営を経験。個人として複数の企業の広報支援にも携わったことで、フリーランスとして独立した後の働き方が具体的にイメージできるようになった

 「当時は28歳で、いずれは出産することを視野に入れ、場所や時間にとらわれずに仕事ができるフリーランスという働き方に挑戦したいという思いが強くなり、思い切って会社を辞めました」

 うまくいかなかったら会社員に戻ればいいという気持ちもあったというが、滑り出しはどうだったのだろうか。

次ページから読める内容

  • フリーランスとして仕事を軌道に乗せるまで
  • フリーランス2年目で収入が会社員時代の3倍に
  • 「思い通りにはいかない」ことを痛感した妊娠期
  • ママ目線を生かすことでライフワークとライスワークが一致
  • 一人の限界を超えるために起業を決意
  • やりがいと同時に、事業として成立できていることに充実感

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