近年、グローバルで活躍できる人材育成を教育方針にすえた、中高一貫の共学校が次々と誕生しています。広尾学園や開智日本橋学園をはじめとする「探究型学習」「グローバル教育」「留学」「IB認定校」などの特色をもつ学校群です。これら国際色のある比較的新しい共学校は、今御三家や早慶といった伝統校とは異なる目線で受験親子から人気を集めています。ネームバリューや偏差値重視の軸から、「子どもの個性に合う」「学校の理念に共感できる」といった、より多様な視点で志望校を考えるようになってきた「学校選び」。実際にこれらの学校が伝統校をはじめとする従来の学校とどのように違うのか、気になる人も多いのではないでしょうか。本特集では、世界標準のカリキュラムを目指す学校に焦点を当て、学校選びの最新動向や卒業生に聞いたリアルスクールライフの様子など、入学前に知っておきたいことを徹底取材。皆さんの素朴な疑問に答えていきたいと思います。

卒業生親子の体験談を紹介

 特集3本目「三田国際は教科書を開かない? 卒業生が語る学校ライフ」では、三田国際学園中学校・高等学校(以下、三田国際)を卒業した親子に取材し、同校を志望した理由や学校生活の様子について紹介しました。同校は帰国生をはじめ、多様なバックグラウンドを持つ生徒が集まり、日常的に英語が飛び交う環境にあること、オリジナル教材を用いた授業やグローバルな社会課題解決に向けてディスカッションする機会の多い学校であることが分かりました。

 国際教育やICT(情報通信技術)教育、プレゼンテーション(以下、プレゼン)に力を入れている三田国際で、多くのスキルが身に付いたと話す吉田陽菜さん(仮名)。同校での学びは大学受験で役立ち、大学生活でも生かされているといいます。中でも、印象的だったのが修学旅行での経験だそう。国際色ある学校の修学旅行の行き先は海外だと思いきや、三田国際では陽菜さんが中学生のときに京都府と広島県に行ったのだそう。「楽しいはずの修学旅行が、実際に行ってみたら大変で。だけど、今思うと貴重な経験だった」という陽菜さんですが、それはいったいなぜなのでしょうか。

 特集4本目では、中高6年間を通してどのようなスキルが得られたのか、卒業後の進路に関して学校側からどのようなサポートがあったか、などについて詳しく聞きました。

プロフィール(人名はすべて仮名です)
母:吉田香織さん(出版社勤務)
娘:吉田陽菜さん。海外生活の経験はなく、三田国際学園中学校でインタークラス、高校はICS(インターナショナル・コース・スタンダード)に在籍。現在は都内有名私立大学に在籍中

※陽菜さんが入学した当時の話を基にしているため、現在の制度などと異なる可能性があります。