子どもたちが散らかした玄関の靴をそろえるのに30秒、トイレ掃除に5分、毎日の食器洗いに10分、洗濯物を干して取り入れたたんで片付けるのに30分……。1つ1つの家事時間はそれほど長くはなくても、終わることのない家事に向き合う時間は積み重ねると膨大な時間に。仕事をしながらこれらすべてを完璧にこなすなんて、そもそも無理があるというものです。

これからの共働き家庭で大切な発想は、ママもパパも「しないこと」を増やすこと。取捨選択をして諦める、アウトソーシングをして上手に任せる。家事のスリム化を進めた結果、家族との時間が増えるとうれしいですよね。「しない上手、任せる上手」になるためのコツやアウトソーシングの最新事情を紹介します。

 「これさえなくなれば!」とつい憎らしく思ってしまう面倒な家事の数々……。もしかしたら、発想の転換や工夫次第で手放すことができる「無駄な家事」かもしれません。笑顔になれる時短家事・ゼロ家事を提案する知的家事プロデューサー・本間朝子さんに、共働き家庭に向けて「無駄な家事」を省くテクニックを紹介してもらいましょう。さらに日経DUALでおなじみ、人気コラム執筆陣ら10人にも、普段の生活の中で生み出し実践している「家事・育児で『私のしないこと』」を教えてもらいました。

 読んだらすぐに始められる、思わず膝を打つ40の知恵を一挙公開! 今日からぜひお役立てください!

洗濯場で、キッチンで、子ども部屋で……面倒な作業を上手に手放すには?

 本間さんや皆さんの知恵を見ていくと、ついつい抱え込みがちな「無駄な家事」を手放すために重要な視点が浮かび上がってきます。ポイントは、「やめる」「変える」「簡略化する」という3つ。この3つの視点を取り入れたテクニックを駆使し、「無駄な家事」ゼロを目指しましょう。

【洗濯&アイロン 8つのテクニック】

裏にして出された洗濯物は直さない。「あえて放置」

 裏返しになったまま洗濯場に出された下着や上着を、干すときや畳むときに表側に返す作業は、ボディブローのように効いてくる小さなストレス。本間さんは、「夫や子どもに『表側に返してから洗濯に出してほしい』と伝えてもやらないなら、思い切って自分が作業するのをやめましょう」と提案します。「ママが戻してくれるから癖を直す必要がないと思っているのかもしれませんし、実はママが元に戻してくれていることに気づいていないのかもしれません。言っても分かってくれないならやらないこと。自分で着るときに裏表を直させれば、脱ぐときに意識するようになるでしょうし、裏返しのまま着て出て恥ずかしい思いをすればさすがにやめるでしょう」

上履きは自宅で洗わない。「コインランドリー活用」

 スニーカーや上履きの汚れ落としは、時間と手間がかかる家事の代表格。コインランドリーを活用すると一気にスニーカーなども洗えて便利です。コインランドリーには、靴専用洗濯乾燥機を備えているところもあります。スニーカーなどの洗濯に対応しているかどうか、近所のコインランドリーをチェックしてみましょう。

クリーニング店に任せる!

予防医療コンサルタント・細川モモさん:家族が増えると、季節の変わり目の衣替えや布団類などのクリーニングが一日がかりの重労働に。娘の衣類はサイズアウトで買い足すばかりなので、収納場所の工夫も悩みのタネ。そこで、クリーニングに出したら数カ月間預かってもらえるサービスを利用することに。余った時間を勉強や家での仕事に充てられました。

ファイナンシャルプランナー・氏家祥美さん:私はアイロンがけが嫌いなんです。おまけに夫は体が大きくシャツのサイズも大きいので、家庭でアイロンがけをするのは大変。そのため、ワイシャツは全てクリーニングに出しています。

汚れを落とすのではなく、つけさせない。「ズボンシャカシャカ化」

 活発に遊ぶ子どものズボン。色が変わるほど汚れて、洗うのに一苦労ということも少なくありません。そこで本間さんが提案するのが、「外側にシャカシャカしたナイロン素材、内側にフリース素材を使ったズボンに取り換えましょう。汚れが入り込まない上に乾きやすいので、頑張って洗濯せずに済みますよ。外遊びのときは、上着もできるだけツルツルした素材のものを選ぶといいですね」

 「洗濯&アイロン」「料理&キッチン周り」「掃除・片付け」等々、まだまだ続きます!