目線を合わせて、夫婦で「しない上手」になる

治部:以前女性から「もう少しここを片付けたほうがいいんじゃない?」と夫に指摘されて傷ついたという相談を受けたことがありました。夫に悪気はなく、思ったことを率直に伝えただけだったようですが、妻は責められていると感じたそうです。スタンダードを下げたいけれど、うまくできずに悩んでいる家庭も多いのかもしれません。

梅田:その方の場合、感情を抜きにして冷静に話し合える環境を作るのがいいと思います。例えば職場では、転職者が会社の風土になじむために「オンボーディング」という手法をとることがあります。著名な人材コンサルタントの方に教えていただいた方法が非常に効果的でした。それは、打ち合わせが終わった直後や、一日の仕事の終わりのタイミングで小まめに「あのとき◯◯していたけど、どういう意味だったの?」と振り返りながら聞くのです。普通は言葉にしないようなことまできちんと言葉にして擦り合わせるのでるのです。そうすると、分かったつもりではなく相手の本心が分かりますし、自分と相手の波長がスムーズに合っていく。

 家庭でも職場でも、無意識のうちに相手の予想に反する行動をとってしまうことは多々ありますよね。一方で「なんでそういうことをするんだろう?」と素朴な疑問を解消したくて相手に質問することもある。だからこそ、「オンボーディング」では落ち着いた環境で改めて対話をすることが大切だといわれています。その場で言わないと意味がないという考え方もありますが、夫婦の場合は大人同士なので、多少時間をおいたほうが穏やかに話し合えると思いますよ。

治部:なるほど!