「わが家のルール」を共有する

治部:実際に二人で回すというときに、夫と自分では料理の方向性が違うし、台所を汚されるから困る、という悩みを持つ女性が少なくないようです。夫がキッチンに立っているが焦げ臭いにおいがする。目を向けると、ナツメグなどの普段使わない調味料が開封された状態で放置され、やけに高そうなひき肉のパッケージが捨てられている。「週末に料理を作ってくれるのはいいけれど、その後が地獄です……」。そんな相談を、先日受けました。

梅田:男性向けの料理教室に通ったり、レシピ本を読んだりして、こだわりの料理を作るのはいいけれど、そのマニュアルを家庭に持ち込んだ時に何が起きるのか、ということですよね。料理の基本を理解するのは大切なことですが、各家庭によって料理のルールは違う。例えば、揚げ物は家で作らない、副菜は土日に作り置きをしているから平日は作らないなど、「しないこと」を決めている妻は多いと思います。それを知らなければ、夫はやっているつもりでも面倒を増やすだけになってしまいますよね。

治部:わが家は私のほうが夫よりも料理が下手なので、男性側の心情もよく分かるのですけれどね。「中華いためを作るときは、市販の合わせ調味料を使ってみたら?」と夫がアドバイスをくれたおかげでようやく味が安定し、キッチンを汚さず短時間で料理を作れるようになりました。

梅田:僕は育休を取得する前、妻に料理を習いました。調理器具の使い方はもちろん、献立を考えるとき何に気をつけているのか、どんな味付けが好きなのか。「わが家のルール」を知っていたからこそ、真のサポーターになれたような気がしています。

治部:梅田さんの書籍でも紹介されていましたが(下イラスト)、メールの書き方一つ取り上げても、夫婦でのルールが違いますよね。

「語尾不足」(『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』149ページ/(c)ヤマサキミノリ)
「語尾不足」(『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』149ページ/(c)ヤマサキミノリ)

梅田:あらゆるルールを共有しなければならないと思うと面倒ですが、そこを突破しないと、「自分でやったほうが早い病」が終わらないままワンオペに突入してしまうんですよね。僕は、育休前後で妻と密にコミュニケーションを取りましたが、夫婦二人が互いにイライラした瞬間は何度もありました。そういうときこそ会話を増やし、どのように家事を進めていくのかをじっくり協議することが大切なのだと思います。