共働きのマネー戦略をアップデートせよ!
コロナショックで社会が大きく変わる中、子どもの生きる力に直結する「マネー教育」の重要性をますます感じている人も多いでしょう。
お小遣いなどを通した家庭のマネー教育では、子どもにお金の価値を伝えるためにどんな工夫ができるでしょうか。まずは3人の読者に、「お金の価値を伝える」という観点から、各家庭の方針を聞いてみました。
Aさんの場合:身の回りの物はお小遣いの中から購入
Aさん(43歳・女性)は、小学5年生の男の子と、中学生の姉妹を育てています。上の姉2人が小さい頃から、金銭感覚を身に付けさせる狙いで、お小遣いのルールにさまざまな工夫を凝らしてきました。
【ポイント1】
勉強道具、生活用品は自分たちで購入させる。
【ポイント2】
服はお下がりも活用、本は図書館で借りる、メルカリ利用など、お金を使うことへの意識を持たせる。
現在、中学生になる姉妹2人は、小学校入学と同時に1カ月2400円からお小遣いをスタート。小学生のお小遣いとしては多めにも思えますが、これは学校で必要な文房具のほか、読みたい本、服、下着や靴下、靴といった生活必需品を買うための費用でもありました。
金額は、お小遣いの渡し方に関する本を何冊か読んだ上で「年齢×400円」に設定。お小遣い帳のつけ方を教え、3~4年生まではつけ忘れてしまうこともありましたが、年齢が上がるにつれて何に使ったか分からない不明金はなくなったといいます。
金額の決まったお小遣いの中から服や本を買うため、使う目的などへの意識は自然と高まります。「服をお下がりでもらうことも多く、本は図書館で借りるものと買うものとに分けていました。同じものでも、買うお店や手段によって値段が違うことを伝えてきたので、自分たちでネットを調べたり、メルカリを利用したりしています。『中学では制服や靴、クラブ活動の道具も必要になるから、その分はお小遣いをためて用意しておくように』と伝えていたので、2人とも小学生のうちに計画的にためて、中学入学時には必要なお金(約5万円)を用意できていました。貯金もかなりできているようです」
Aさんは「身の回りの物を親が買わずに、子どもにやりくりさせるというのは、最初はとても手間がかかりましたが、続けてよかったと思います」と話します。

子どもの個性に合わせてお小遣いの方針を変えた
一方、弟の場合は、姉たちのときと違って、5年生の今もお小遣いを渡していないといいます。「同じように子どもの口座を作ってお小遣いを渡し始めたのですが、お小遣い帳をつけることが難しかったようです。本人も私もストレスがたまるので、お小遣い制ではなく、学校などで必要なものは必要なときに私が買うようにしています。お金を自分で管理できるようになる時期は、皆同じではなく、子どもそれぞれに適した時期があるのだと思うようになりました」
ただ、お金がどうやって家庭に入ってくるかなどの話は、姉たちのときと同様、小さい頃からしてきました。「親や姉たちが、欲しいものを買うときにネットで調べて比べる様子を見ているので、買うときにしなければならないことやお得な買い方などは理解しているよう。金銭感覚はある程度身に付いてきたのではないかと思います」。自分でお小遣い帳をつけようと息子が思う時期を待ちたい、とAさんは話します。
次ページで引き続き、未就学児や小学生を育てる各家庭の方針を聞いていきます。また、3ページ目からは「お手伝い」を通じてお金の価値を子どもに伝える具体的な方法を紹介します。
次ページから読める内容
- Bさんの場合:「お金を使う」には3つの使い方があることを伝える
- Cさんの場合:親はあまり口出しをせずに、経験から学んでほしい
- お手伝いの対価としてお小遣いを渡す場合
- 賃金に関して曖昧にしないことが大切
- 「欲しいものを買うためにどうすれば」の学びにつなげる
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