コロナ禍で生活が大きく変わるなか、「残業が減った分、収入も減った」「勤務先の業績不振で冬のボーナスも大幅にダウンするのでは?」など、家計に対する不安が広がっています。DUAL世帯には教育費や住宅費用といった大きな出費が控えています。これまで通りのマネープランは通用する? 見直しのコツは? 共働き世帯のマネー戦略を、今こそアップデートしましょう!

 コロナ禍でDUAL世代の生活が大きく変わる中、実際の家計はコロナの前と後でどう変わったのでしょうか。

 まずはデータを見てみましょう。下の表は、総務省「家計調査」を基に共働き世帯の収支の変化を示したもの。大和総研金融調査部主任研究員の是枝俊悟さんは、「コロナ禍の2020年2~7月は、世帯当たりの収入が前年同期比で月8000円ほどダウン。一方で、消費支出も月平均で3万円以上減っており、その内訳を見ると、外食費、交通費、被服費、教養・娯楽費、交際費などが軒並み減っています」と指摘します。


■コロナ禍における共働き世帯の収支の変化
■コロナ禍における共働き世帯の収支の変化
条件/核家族世帯で夫婦とも勤労者(会社員・公務員等)、夫が世帯主で60歳未満、妻の月収が8万円以上。出所/総務省「家計調査」より大和総研作成

 「収入は確かに減ったが大きな落ち込みではない。むしろ自粛生活で家にいることが多く、収入以上に支出が減ったため、意外にも家計は悪化していない」――。共働き家庭全体ではそんな傾向が見えてきました。

 日経DUALの読者アンケート(2020年9月実施、有効回答数102人)でも、コロナ前と比較して「収入は変わらない」と答えた人が59.8%。次いで「収入が減った」という人が33.3%、「収入が増えた」と答えた人が6.9%という結果でした。皆さんの家計はどうでしょうか。

 「職種によっては収入が大きく減ったケースもあります。雇用形態によっても異なり、特に緊急事態宣言が出た今年4~5月を見ると、非正規雇用の女性の就業者数が大きく減っています。勤務先の休業だけでなく、休校や登園自粛で子どもの面倒を見るために仕事を辞めている人もいると考えられます。非正規雇用の女性ほど、コロナの経済的影響を強く受けたと言えるでしょう。今の事態が長引き、これ以上経済が低迷すれば、より多くの家計にダメージが及ぶ可能性もあります」(是枝さん)。

 また、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんは、「これまで残業が多かった人は、コロナの影響で残業代が減ったことで、収入が落ち込んでいるかもしれません。また冬のボーナスは多くの企業で減る可能性が高く、残業代やボーナスをあてにしている家計は、赤字になる可能性もあります」と指摘します。読者アンケートでも、今年の冬のボーナスが「昨年に比べて減ると思う」と答えた人が50%に上っています。

 とはいえ、「少なくとも現時点では、夫婦ともに正社員の世帯に限れば、それほど心配するような事態ではないでしょう。それでも家計が苦しいと感じる人が多いのは、先が見えない不安が大きいためだと考えられます」と、是枝さんは解説します。

 先が見えない不安――。これを少しでも解消するには、何から手を付ければいいのでしょうか。

家計が見えない…そんな共働き家庭の解決策は?次のページから紹介します
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