グローバル化が急速に進んでいます。わが子が社会に出るころには、同僚や取引先に外国人がいたり、海外市場を見据えて仕事をしたりするのが当たり前の世の中になっているはず。英語は今以上に必須スキルになることは確実です。中学受験で英語入試があったり、英検取得が受験に有利な学校も登場しています。今こそ子どもたちの将来を意識した英語教育を始めるとき! では、親はどうサポートすればいいのでしょうか。専門家に聞きました。

英検は目標が立てやすい

 子どもの英語力向上を目的として、自治体などが、実用英語技能検定(以後、英検)の受験をサポートする動きが広がっているようです。例えば、東京都北区では2021年度に北区立小中学校に通う小学6年生から中学3年生まで、練馬区では中学2年生、3年生(2021年度)の英検受検料を全額公費負担しています。

 日本の教育でも、小学校で英語の授業が必修になり、小学5年生、6年生では科目として英語が始まり、英語学習の取り組みに変化が起こっています。そうした状況から、英語を入試科目に取り入れたり、英検を入試の加点対象としたりする私立中学校が増えているなど、英語を重視する風潮が進学事情をも大きく左右するようになってきました。そのため、英語学習は将来的なメリットだけではなく、目先のことも目配りをする必要があります。一見、準備することが多くなり大変そうに感じるかもしれません。しかし、幼少期からの、英語学習の積み重ねが進学にも将来活躍するためにも有利に働くのであれば、一石二鳥ではないでしょうか。

 英検を受験する人は年々増えており、日本英語検定協会によると、2016年度の英検志願者数が約340万人であったのに対し、20年度は約370万人と4年で約1.1倍増加。小学生以下の子どもは毎年30万~40万人ほど受検しています。

 社会人になるとTOEICなどが主流になりますが、なぜ小学生から高校生の間では、英検を受検する割合が高いのでしょうか。英検の特徴について、リクルートが提供するオンライン学習サービス「スタディサプリ」で英語講師を務める竹内健さんはこう話します。

 「英語の運用スキルを測る試験には、TOEICやTOEFL、IELTSなどもありますが、これらの試験では成績がスコアで出されるため、特に小中学生にとっては目標を立てづらい傾向にあります。一方で、英検は4技能が級ごとに分かりやすくレベル分けされており、合否で結果が出ます。そのため、目標が立てやすく、小中学生でも取り組みやすいという利点があります。

 また、TOEICはビジネス英語のスキルを測る側面が大きく、TOEFLやIELTSはアカデミック英語スキルの指標です。いずれも小中学生の生活環境には合いませんよね。英検の内容は小学校、中学校、高校の学校の授業で学習する内容とも重なる部分が大きく、学習の連続性が生まれるのもメリットです。そのため、小中学生や高校生が受けるなら英検をお勧めしています」

 英検を取得することで、中学や高校への進学においてどのようなメリットがあるのでしょうか。また、受検を見据えての、英検取得のスケジュールの立て方や勉強方法としては、どのようなものがあるのでしょうか。次ページ以降で詳しくお伝えします。

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