ワーママになってから、頭を下げたり、自分はダメだと思ったりして、心が消耗することが増えていませんか。お迎えが遅くて、週末のお出かけも近所の公園止まりで、子どもに「ごめんね」。子どもの病気で仕事を休み、職場にも「申し訳ない」。パワフルなワーママのキラキラした両立ライフに、自分はダメだとモヤモヤ。こんなことがあると、仕事への自信がなくなって、子どもや夫にきつく当たり、さらに自己肯定感もダウンしてしまいます。「しなければいけないことは山ほどあるのに、モチベーションが上がらない」という声もよく耳にします。そんな「ワーママの憂鬱」との上手な付き合い方や、持つべきマインドセット、すぐにできるメンタルの回復法、モチベーションの上げ方を探っていきます。

働くママはなぜモチベーションサイクルが回りにくい?

 子育てと仕事の怒濤(どとう)の日々。タスクは山積みにもかかわらず、どうもやる気がわかず、時間ばかりが過ぎてしまう、ということは、意外とよくあるものです。

 「かつては私も子育てと仕事を両立させるワーママだったので、山積みのタスクを前にやる気が起きないときの焦る気持ちはよく分かります」と話すのは、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所所長でモチベーションに詳しい菊入みゆきさんです。

 菊入さんによると、モチベーションとは目的やゴールに向けて人を動かし、行動を促すエネルギーやパワーのことで、これが生じるメカニズムとして「モチベーションサイクル」が存在するのだそう。人はこのサイクルをうまく回すことでモチベーションを高めていくことができると言います。

 「モチベーションサイクルはひとたび回し始めると、どんどん回るようになります。逆に、働くママのモチベーションが落ちやすいのは、構造的にこのモチベーションサイクルが回りにくいことが原因です」

 働くママのモチベーションサイクルが回りにくいのは、一体なぜでしょう? そして、何をすれば回るようになるのでしょうか。詳しく聞いていきます。

この記事で読める内容
・働くママのモチベーションサイクルはなぜ回りにくい?
・押すべき「スイッチボタン」は3つ
・よい結果が得られる行動目標設定のコツ
・やる気は他人から手に入れることもできる