習い事を始めたのはいいけれど、日々の練習に親子でストレスを抱え、想定外の親負担や子どもの「やめたい」発言にうんざりすることも。「親子で幸せな習い事生活を送るには?」「そもそも幼い時にお稽古事って必要?」…そんな素朴な疑問に答えるべく、各方面の専門家に取材し、「子どもが習い事をする意味」について徹底検証しました。実は、意味のある経験になるかどうかは、習い事の最大の難所である「やめどき」にあるのだとか。そのためにも習い事のゴールを考えておくことが大切なようです。東大生の大半が習っていた「水泳」「ピアノ」の知られざる効果や、「習い事をしない」選択をした場合に親が知っておきたいことなども紹介。子どもにとって習い事やそれに代わる経験を貴重な時間にするためのヒントを探ります。

最大の難関は「やめ時」の見極め

 「スポーツが得意な子になってほしい」「楽器をたしなみ、豊かな教養を身に付けてほしい」――そんな期待値マックスの状態でスタートさせがちな子どもの習い事。しかし、いざ始めてみると、「今日行きたくない」「練習したくない」と言うわが子にあの手この手で気持ちを切り替えさせたり、時間に追われながらの送迎にグッタリしたり。毎日がバタバタで忙しい子育て中の共働き家庭にとって、「習い事の継続」がいかに大変か身をもって体験してきた人も多いのではないでしょうか。

 そんな中、どんな習い事でも共通して最も頭を悩ませるのが「やめ時」の見極めです。終わりよければすべてよし、という言葉通り、「やめるタイミングとやめ方を見誤ってしまうと、後々子どもにとってマイナスの影響を残す可能性があります」と、長年にわたって子どもの習い事事情を見てきた家庭教育研究家の田宮由美さんは言います。もちろん、やめること自体が問題なのではなく、逆に上手にやめ時を見極めることができれば「次のチャンスにつなげることができる」と田宮さんは話します。

この記事で分かること
●やめ方やタイミングを見誤ることで子どもに与える2つの負の影響
●「未就学児」「小学校低学年」「高学年」3つの発達段階に合ったやめ時の見極め方
●親子で納得のいく終わり方ができるようにすべきこと