共働き生活では、願わくば良きチームメイトでありたい夫婦。でも、夫婦喧嘩をしたとき、チームがうまく機能しないとき、ワンオペで疲れたときなど、「離婚」の言葉が脳裏によぎったことがあるかもしれません。「離婚をする」と決めていても、一番心を砕くのはやはり「子どもへのダメージ」でしょう。離婚の経験者たちに、離婚の現実や離婚後も子どもの生活を変えないための方法について語ってもらいます。また、専門家を取材し、離婚の際にすぐに必要となるお金や長期的に必要なお金、離婚以外の選択肢として夫婦関係を再構築するために知っておきたい心構えや方法も紹介します。

何度も、「本当に離婚していいのか」悩んだ

 もう離婚して、一人で子どもを育てたほうがいいのではないか──日々の生活の中で、そう思ったことがある人は少なくないのではないでしょうか。

 でも実際に離婚するとなると、簡単ではありません。特に子どもがいれば、金銭面、環境面から想像以上のエネルギーを使うことになるかもしれません。

 では離婚経験者は何がきっかけで決意したのでしょう。前回紹介した読者アンケートの結果では、一番多い離婚や別居のきっかけは「性格の不一致」がトップで、「モラハラ、DV」が続きました。

 またその他の意見の中には「妊娠中の夫の不貞、ゲームばかりで子どもに興味なさすぎる」(42歳、女性)、「セックスレスのため」(41歳、女性)、「夫が部屋を片付けられないのが心底嫌になった」(40歳、女性)という回答も見られました。

 離婚を考えたことがある、もしくは現在、別居中や離婚調停中という人に、「経済面で、配偶者がいなくなっても生活できると思いますか」という質問では、DUAL読者らしく、半数を超える56.4%が「はい」と回答しています。その一方で「いいえ」も17.4%あり、「分からない」は22.6%でした。

 日経DUALでは今回、子連れ離婚の経験者数人に個別インタビューを行いました。いずれの経験者も、頭を悩ませたのは「金銭面」と「子どもの環境面」で、何度も何度も、「本当に離婚していいのか」と自分に問いかけたといいます。

 次ページからは、離婚経験者二人に、養育費で陥りがちな落とし穴、離婚で子どもに表れたストレス症状、それでも離婚してよかったというメリット、離婚を考えている人へのアドバイスなどについて語ってもらいました。

 「離婚するために結婚したわけではない」と口をそろえる二人の思いとは

(写真はイメージです)
(写真はイメージです)