迷いがあるならよく考えよう

 実際に離婚を経験した人からは、離婚を考えている人に向けて「よく考えるべき」という声がありました。

「子どもの末長い発達や成長を考えるなら、(身体的なDVがない限り)離婚は避けたほうがいいと思います。弁護士や法テラスなどに相談しに行くと、ほぼ100パーセント離婚に向けて動き始めてしまいます。家族の絆を断絶する前に、まずは『夫婦カウンセリング』に行くなど、二人でゆっくり、じっくり話し合ってください」(32歳、男性)

「周りがどんなに離婚を勧めても、自分の中に少しでも迷いがあるなら、その時点では離婚しない選択をとることが大事」(42歳、女性)

「離婚を考えるとき、会話もなくなり、その状況で悪いところばかり目立つようになっていきます。私の場合はそんな状態でした。もし、子どもがいる場合、会話して修復できる可能性が1%でもある場合は話し合ってください。私は離婚当時、子どもは3歳になったばかりでしたが、小さいなりにわかっていて、かなり傷つき、気持ちが不安定になりました」(39歳、女性)

「夫の態度や考え方が変わるなら離婚しなくていい、経済的にも離婚が不利である、と考えている人であれば、時間がたてば変わる可能性もあることを伝えたいです。私の場合は7~8年かかりましたが、凪の状態になる日がくるとは思ってもみませんでした。険悪な状態がずっと続いていたので」(50歳、女性)

 離婚を考えたときに、離婚に突き進むにしろ、修復して結婚継続(続婚)を選択するにしろ、衝動的にではなく、じっくり考えて出した結論ならそれぞれの夫婦の最適解です。

 離婚を考えたことがある人の最大の関心事が「子どもへのダメージ」でした。

 特集の2本目、3本目、6本目では実際の離婚経験者に、離婚のリアルや離婚後も子どもの生活を変えないノウハウについて語ってもらいます。また、特集4本目では誰もが気になる離婚に関わるお金のことを、特集5本目では離婚を迷っている人に向けた夫婦関係修復術を紹介します。

文/羽田 光(日経DUAL編集部)  イメージ写真/鈴木愛子