「無理せず仕事と育児を両立したい」「子どもと過ごす時間をなるべく増やしたい」「子どもの生活リズムを守りたい」…。短時間(時短)勤務中の人が制度を利用している理由はそれぞれですが、皆が一様に感じているのは、「このまま時短を続けていて大丈夫?」という迷い。日経DUALが実施したアンケート調査でも、350人近くの時短ママたちから「キャリアの展望が開けない」「仕事でやりがいが感じられない」「収入が下がっているのに仕事量はそれほど減らしてもらえない」「職場で居づらい」といったさまざまな不安や不満、悩みの声が寄せられました。そこで、時短ママたちがはまりがちな「キャリア迷路」を抜け出す方法を徹底取材。時短勤務でもキャリアアップする方法、フルタイム勤務へのスムーズな移行法も紹介します。

時短ママの「キャリア迷路」脱出法

今は育児に手いっぱいでも、10年後には親離れが始まる

 育児をしながら働く社員向けに、短時間(時短)勤務制度を設ける企業が登場し始めてまだ10年程度ですが、今では、制度は広く浸透し、職場の理解もずいぶん進みました。

 時短勤務は「定時より早くに会社を出ないと保育園のお迎えが間に合わない」「家族のサポートが全く受けられない」「体力面で不安がある」など、「フルタイム勤務しかないなら仕事を辞めざるを得ない」という社員を救済すべく生まれた制度。今では、「フルタイムで働けないこともないけど、制度があるから」と、とりあえずの利用もできるほど定着しています。

 生き方や働き方は人それぞれ。制度を利用するかどうかは個人の自由です。とはいえ、もし組織で働き続けていくことを念頭に置いているのであれば、短時間勤務に伴う「リスク」を認識した上で、覚悟を持って制度を利用する必要があると言えそうです。

 今回、キャリアの専門家や短時間勤務利用者(経験者)などへの取材などを通じて見えてきたのは、「戦略なき短時間勤務には、知られざる大きな落とし穴がある」という事実。「短時間勤務中は、やりがいのある仕事はできないかもしれない」「マミートラックに乗せられて、昇進が遅れるかもしれない」といった、見えやすい形のリスクは意識できても、5年先、10年先のイメージはなかなか持てないかもしれません。

 ただ、今は親がいなければ何一つできない0歳の赤ちゃんも、10年たったら10歳。一人で出かけることもできる年齢となり、精神的にも物理的にも親離れが始まります。同時に、子どもにかかる教育費が増大し、老後のための貯蓄も意識しなければならない時期に差し掛かります

 「そのときになって切実に仕事を頑張りたいと思っても、もはや職場に自分の居場所はないということもあり得る」と、複数の専門家が指摘します。

 短時間勤務を利用中、または「これから利用を検討している」人に向け、特に気を付けたい5つの落とし穴を次ページから解説していきます。

次ページから読める内容

  • まさかの「最前線復帰」を命じられ、厳しいノルマに耐えられず退職
  • 部署の統廃合で突然の「キャリア迷路」入り
  • 昇進は必ずしも目指さなければならないものではない。でも…
  • 真面目に頑張る人ほどはまりやすい時短勤務の「罠」
  • 入学前の1年間の時間の使い方がカギに

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