「無理せず仕事と育児を両立したい」「子どもと過ごす時間をなるべく増やしたい」「子どもの生活リズムを守りたい」…。短時間(時短)勤務中の人が制度を利用している理由はそれぞれですが、皆が一様に感じているのは、「このまま時短を続けていて大丈夫?」という迷い。日経DUALが実施したアンケート調査でも、350人近くの時短ママたちから「キャリアの展望が開けない」「仕事でやりがいが感じられない」「収入が下がっているのに仕事量はそれほど減らしてもらえない」「職場で居づらい」といったさまざまな不安や不満、悩みの声が寄せられました。そこで、時短ママたちがはまりがちな「キャリア迷路」を抜け出す方法を徹底取材。時短勤務でもキャリアアップする方法、フルタイム勤務へのスムーズな移行法も紹介します。

「時短勤務」という働き方は定着したものの…

 「3歳に満たない子を養育する労働者に関して、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短時間勤務制度(時短制度)を設けなければならない」という「改正育児・介護休業法」により、従業員数100人以下の会社でも時短制度を設けることが義務化されてから7年がたちました。「子どもと過ごす時間を長く取りたい」「体力的な負担を軽減したい」「保育園の規定時間内にお迎えに行きたい」といった理由で、制度を利用する人が増えています。

 今や、「時短勤務」という新しい働き方はすっかり市民権を得たように思えますが、この制度によって、仕事と育児は本当に両立しやすくなったといえるのでしょうか。

 今回、日経DUALは、「『時短』取得と継続、終了に伴うキャリアの悩みアンケート」を実施(※)。回答者345人のうち、現在時短勤務中、または時短勤務経験がある310人に対して、「時短勤務制度を利用する(した)ことによる悩み」について聞いたところ、「悩みがない」と答えた人は、わずか1.5%しかなく、ほとんどの時短勤務者が収入面や評価面、キャリア面などでさまざまな不満や不安、モヤモヤを抱えている実態が明らかになりました。

 時短勤務を利用することで生まれた働くママたちの新たな悩みとは? 次ページで詳しく見ていきます。