短時間勤務だからと言って、仕事量が減るわけではない

 それ以外にも、周囲への負担、評価面、仕事量面、昇進面など、仕事面での悩みは尽きないようです。また、その他の回答では「仕事も育児も中途半端」という、切実な声も聞かれました。

【周囲への負担に関する悩みやモヤモヤ】

短時間勤務だからといって、仕事量が減るわけではないので、忙しいときにはお昼を削ったり、朝早くに出社したりして仕事をしています。子どもが熱を出したり、自分がうつされたりして休むことも多く、周りにその分カバーしてもらっているので申し訳ない気持ちがいつもあります。(その他、正社員女性、0歳)

■じっくり時間をかけて取り組みたい仕事、調べたいことなどがあっても時間が来たら切り上げなければいけない、というのは自分でもモヤモヤするし、周りにも正直迷惑をかけていると思います。また、朝や夕方の会議・ミーティングなどもほぼ出られないので、周りも責任のある仕事などを頼みづらいのではないかと思います。(医療関連、正社員女性、1歳、年少、小1)

■医師として勤務しているため、患者さんの容体によっては、突発的な仕事がたびたび発生する。他の医師に残りの仕事を頼んで自分は帰宅する、という割り切りができるか不安。子どもがいなかったときには、私が他のママさん医師の仕事を引き受けてきたので、周囲にどんな負担感を与えるかはよく分かっているだけにつらい。(医療関連、正社員女性、0歳)

【評価面の悩みや不満】

短時間内に効率良く仕事をこなしていることを評価されない。フルタイム勤務と比べると、評価が低い。(一般事務、派遣社員女性、子どもは〈以下同〉小5)

■職業柄決まった時間で働くとなると働ける領域の選択肢がかなり少なくなってしまう。今の仕事にやりがいも意義も感じてはいるが、結果的に高い評価をどうしても得づらいので、評価・昇進ともにこのままずっと停滞しているのだろうかという不安がある。(情報処理・情報システム、正社員女性、2歳と年中)

■時短だと給料だけでなく、賞与の評価も下がり納得いかない。成績に応じた貢献度手当も時短だとどんなに成績がよくても対象外。働いた時間と成果は関係ないのに長く働かないと評価もされない。(営業・販売、正社員女性、年少と小3)

■会社は仕事の難易度に応じて評価すると言っているが、やはり時短というだけで評価は低いし、チャレンジする機会も与えてもらえない。(営業・販売、正社員女性、1歳)

■自分では時短をしていることにもかかわらず、フルタイムと同様もしくはフルタイムで働いていた当時以上の成果をあげていると自負しているが、どうしても短時間勤務に負い目があり評価をアピールすることにためらいを感じる。(総務・人事、正社員女性、年中)

【仕事量の悩みや不満】

■仕事量はフルタイムでも時短でも変わらず、ただ自身の時間的制約がある状態だったため、持ち帰りが発生したり、やりきれていないと感じたりすることが悩みでした。(情報処理・情報システム、正社員女性、1歳、年少、小2)

■中途半端にしか仕事に関わることができないのではないかと不安。やりがいの意味でも、周囲との信頼関係という意味でも。私のやり方が、子育てしながら仕事をする人の代表みたいに見られているのではないかという変なプレッシャーもある。(営業・販売、正社員女性、1歳)

■時短勤務にしても基本的に仕事量は減らず、でも時短者は残業してはいけない社内ルールのため常に仕事が終わらず苦慮している。(営業・販売、正社員女性、小4と2歳)

■時短利用しても仕事量は変わらない。仕事が好きなので、仕事量が変わらないこと自体に不満はないが、保育園のお迎えがあるので中途半端な状態で同僚に引き継ぎをしたり、逆に仕事が長引いてお迎えに遅れてしまったりして、仕事も子どものこともまっとうできていない。子どもの就寝時間が早いため、フルタイムに戻した場合、子どもに負担がかかってしまう。子どもがもう少し体力がつけば、フルタイムに戻したいが、いつになるのか分からない。(総務・人事、正社員女性、1歳)

【昇進面の悩みや不満】

■短時間勤務ではなく、夕方の迎えに間に合わせ、子どもを寝かしつけた後に仕事がしたかった。制度上それが認められず短時間勤務をしたが、昇進も遅れ、会社での居心地も悪くなった。(営業・販売、正社員女性、1歳と年少)

昇級が同期と比べ遅い。時短勤務内で120%のパフォーマンスで成果を出せるよう頑張ってもいるが、残業や土日出勤ができず、チームに貢献できてないと感じる。結果、給与も昇進もネガティブな面が多く、モチベーションが上がらない。(営業・販売、正社員女性、1歳と年少)

■キャリアを積み、昇進している先輩女性社員は皆、子どもがいない方のため、キャリアプランなどを相談できるような人もおらず、漠然と将来に対する不安がある。(技術・設計、正社員女性、年少)

後輩女性がどんどん昇進していく姿を見て、うらやましさと自分へのもどかしさと……。でも、子どもとの時間は大切で、今の時短の働き方で納得・満足している自分もいる。日々、気持ちが行ったり来たり揺れながら生活している。(一般事務、正社員女性、年少)