共働き子育て中で毎日バタバタ。日々必死に生活を回しているのに、仕事は思うように進まないし、子どもに関しては心配ごとが山積み。いったい自分はどこに向かっているのだろう。こんなに余裕がない日々の中で、わが子はちゃんと育つのだろうか――。こんな風に、ついネガティブな気持ちになり、不安感や閉塞感から抜け出せないでいるとき、共働き子育ての先輩ママやパパの言葉に救われ、出口が見つかるきっかけになるかもしれません。今回、DUALでは、各界で活躍してきた先輩親の皆さまに取材。後輩親に伝えたい「本当に大切なこと」を教えていただきました。「正解は一つではない」こと、目の前の何気ない日常こそがいとおしく、大切にすべきものだということが分かるはずです。

 男女雇用機会均等法が制定された頃に入社し、子どもを産んでからも働き続けた女性たちは、いわば共働きママという生き方におけるパイオニアといえます。今回も前回に引き続き、先輩ママ3人の座談会の様子をお届けします。親離れ・子離れの実体験や、後輩ママ・パパに伝えたいことなど、経験者ならではのエピソードが満載です。

前編「壮絶だった娘の反抗期、社会人の今は穏やかな関係に」

【座談会参加者】

りえさん(仮名、60歳)
娘は現在18歳。子育て時、夕食づくりやお迎えなどは自由業の夫が自宅近くに仕事場を移し、担当。遠方に暮らす実母がサポートのために毎月新幹線で上京し、1週間ほど滞在してくれていた。

えみこさん(仮名、62歳)
娘は現在28歳。夫は子どもが高校生になるまで単身赴任。二世帯住宅で同居していた実母は育児に関わらない主義だったため、お迎えなどはベビーシッターに依頼。

あゆみさん(仮名、60歳)
息子は現在30歳、娘は24歳。夫は長女が1歳まで単身赴任、戻ってきたあとも帰宅は不規則で、実家・義実家とも遠方だったため、ベビーシッターを活用しながら乗り切ってきた。

―― 皆さま、夫婦関係はいかがでしたか。

えみこさん(以下、敬称略) 夫は単身赴任期間が長かったのですが、たまに帰ってきたときにはけっこう激しい口げんかもしました。夫は単身赴任、私はワンオペ育児でお互い疲れと不満がたまっていましたから。当時は、けんかは子どもにも隠さず、見せた方がいいくらいに思っていたのですが、娘が中学生のとき、「お父さんとお母さんがけんかしているのを見るのは嫌だった」と言っていて。かわいそうなことをしたかも、と思いましたね。

 ただ、娘は親の夫婦げんかを見ていたからこそ、共働きで働いていれば時に争いが起こってしまうということを身をもってわかっている。娘は今結婚して共働きなんですけれど、パートナーとの話を聞くと、距離感の取り方など色々考えてやっているようで、反面教師としてはよかったのかなと思っています。

りえさん(以下、敬称略) 今の話、とても共感します。私もけんかを娘に見せてしまって後悔することもあったのですが、もしかしたら娘も何かを学んでいるかもしれないってことですよね。

えみこ そうだと思います。わが家では、今は夫とけんかしてると、娘になだめられたりしてます。

あゆみさん(以下、敬称略) 夫婦げんかはどこでもありますよね。うちも夫が単身赴任をしていたり、帰るのが遅くなったりしてしょっちゅうけんかしていましたね。息子は悩んでいたらしく、私の母に「お父さんとお母さん、もうすぐ離婚するかもしれない」って相談したこともあったようです。当時はそのことを知らず、後に母から言われて知ったのですが。

 夫婦といえばわが家の場合、夫が子どもに対して厳しかったので、その分自分は子どもの言い分を聞くなど役割分担しようと決めていました。どうしても厳しくしなくてはいけないこともあるけれど、それだけでは成り立たないので、夫婦で硬軟織り交ぜて子どもと接することは、ずっと気をつけていましたね。今思い返せば夫はちょっと厳しすぎた気もするけれど、子どもたちは厳しくされたことも含めて笑い話にしてくれてるので、よかったのかな、と思っています。

―― ここからは仕事やプライベートのことを教えてください。共働きで仕事を続けてこられて、「これだけはやっていてよかった!」ということはありますか?

この記事で分かる先輩ママからの学び
・自分の時間は優先順位を上げて確保すべし
・いつか絶対くる巣立ちのために、親子ともネットワークづくりを
・きょうだい育児、最終的に仲良くなってもらうためには