共働き子育て中で毎日バタバタ。日々必死に生活を回しているのに、仕事は思うように進まないし、子どもに関しては心配ごとが山積み。いったい自分はどこに向かっているのだろう。こんなに余裕がない日々の中で、わが子はちゃんと育つのだろうか――。こんな風に、ついネガティブな気持ちになり、不安感や閉塞感から抜け出せないでいるとき、共働き子育ての先輩ママやパパの言葉に救われ、出口が見つかるきっかけになるかもしれません。今回、DUALでは、各界で活躍してきた先輩親の皆さまに取材。後輩親に伝えたい「本当に大切なこと」を教えていただきました。「正解は一つではない」こと、目の前の何気ない日常こそがいとおしく、大切にすべきものだということが分かるはずです。

取材を通じて見えた「子育ての日々のいとおしさ」

 今回の特集を担当した編集部員たちは皆、子育ての真っ最中。山盛りの仕事のタスクに終わりの見えない育児、果てしなく続く家事……。そんな毎日をもがくように送るDUAL世代です。「自分の子育てはこれで大丈夫なのか……?」そんな思いを胸に取材に当たった4人が口をそろえて言うのは「先輩親の話を通じて、共働き子育ての本質が見えてきた」ということ。まずは取材を終えた4人の編集部員による、編集会議のやり取りをお届けします。

編集A(子どもは小4女子と小1女子) これまでいろんな人から「子育てはいつか終わりが来るよ」とか、「大変なのは今だけよ」などと言われてきたけど、その言葉だけだとピンとこなくて。苦行のような両立生活がいつまでも続くように思ってたけど、取材で具体的な話を聞く中で、「幸せは今のこの暮らしの中にあるのだ」と思えるようになりました

編集B(子どもは小2女子と年長男子) 取材をしたある先輩親が「子育てを終えた今、懐かしく思い出すのは、ささやかな日常の光景です」と話していたのが印象的でした。それを聞いて、私も「子育て中の今を生きなくていつ生きるんだ」ということに気づき、つらいと思っていた目の前の毎日をいとおしく感じられるようになりました

編集C(子どもは小6男子と小3、年中女子) 「子育てには正解がない」ことも改めて実感しました。だからこそ紆余曲折(うよきょくせつ)があっても最終的にその親子なりのよい関係にたどりつければ、それでいいんですよね。

 私は子育てで思い通りにならないと「いい子に育つ本」みたいなのをつい買っちゃうこともあるのですが(笑)、子育ては「この本の通りに育てたらうまくいく」とか「この習い事をしたらこう育つ」といったことではないんですよね。先輩方のお話から「思い通りにならないことだらけだけど、なるようになる」という子育ての神髄に気づくことができ、とても励まされました

編集D(子どもは中2女子と小5男子) 先を歩む先輩親のエピソードは、必ずしも自分にぴったり重なるケースではなくても、どこかに自分が抱える不安に重なる部分がありますね。今回、私も先輩方の話から、自分なりのヒントや出口を見いだすことができました

編集C 子育てや受験体験記で、本当の失敗談や後悔している話などはあまり出てこないんですよね。つらい話は人に言えないものですから。でも取材では、そうした話も含めて、先輩親の方々が振り返ってお話をしてくださって、そのことが本当にありがたいなと思いました。今回の特集は、私たちDUAL世代がより良い道を進むために、先輩親の皆さんがまさに胸を貸してくださった企画だと感じています。

■2ページ目以降で読める
先輩親から後輩親に伝えたい「よかった」&「後悔」

・両立のためにそぎ落としたもの
・子どもへの接し方&子育ての楽しみ方
・仕事やキャリアへの向かい方
・パートナーとの家事・育児の協力関係
・子どもの中学受験を振り返って